Airbnbがアメリカのスタートアップ企業の時価総額2位になるまで。気になる経緯は?

世界最大手の民泊仲介サイトAirbnbを運営する非公開会社Airbnb, Inc.の時価総額が310億ドルにのぼりつめたと各メディアが報じています。アメリカのスタートアップ企業のなかでは首位のUberに次ぐ金額であり、日本円にして約3兆4910億円にもなるとのことです。

Airbnbは現在192か国で300万件以上のリスティングを掲載している世界最大規模の民泊プラットフォームです。2009年、ベンチャーキャピタリストであるポール・グレアム(Paul Graham)氏の2万ドルのシード投資を皮切りに現在まで12回の資金調達ラウンドを行い、合計43億9808万2,100ドルの資金を調達しました。

いまや民泊事業関係者に高い知名度を誇り一般にも浸透しつつあるAirbnbですが、2人の創業者によって立ち上げられた事業のここまでの歩みはどのようなものだったのでしょうか。

2008年、Airbnbはアメリカのサンフランシスコで民泊プラットフォーム「airbedandbreakfast.com」として誕生しました。ビジネス拡大のために資金調達が必要でしたが、当時すでに旅行者向けのホテルが乱立しており、民泊ビジネスは流行しないと考えていた投資家にはまともに取りあってもらうことはありませんでした。

資金調達に困窮したチームは、そこである奇抜なビジネスを思いつきます。2008年の民主党全国大会に向けて、大統領候補バラク・オバマ氏とジョン・マケイン氏の名前にちなんだ「Obama O’s」と「Cap’n McCains」の2種類のシリアル食品を販売したのです。airbedandbreakfast.comの民泊情報入りの同食品は、話題性も手伝って3万ドル(337万円)以上の売上を獲得しました。

そして翌年2009年4月にサービス名をAirbnbに変更、1か月後にはセコイアキャピタルからシード投資60万ドルを得ました。名称の短縮とサービスの使いやすさで定評を得てからは順調に資金調達額を増やし、最新のシリーズFとなる2017年3月では4億4,780万ドルを調達しています。

Airbnbは現在株式公開に向けて進んでおり、2018年初期の公開が予想されています。すでにバケーションレンタル事業者としては横に出るものがいないと思われるAirbnbですが、民泊市場の拡大に伴い生まれてくるニッチな市場では他の事業者が参入する余地も十分にあるでしょう。市場調査会社のテクノビオ(Technavio)によると、世界のバケーションレンタル市場の規模は2021年には1,938億9000万ドルに達すると見込まれています。今後、ブロックチェーンにより利用者同士が直接やりとりできる民泊プラットフォーム「CryptoBnB」の参入も予想されており、Airbnbがどのように展開していくか、引き続き動向に注目です。

【参照ページ】What Is AirBnB’s Valuation Right Now?
【参照ページ】The 14 most valuable startups in the US
【関連ページ】AirBnB(エアビーアンドビー)の概要を見る
【関連記事】ブロックチェーンを利用し仮想通貨で取引する民泊プラットフォーム「CryptoBnB」発表

(MINPAKU.bizニュース編集部)

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