Airbnb(エアビーアンドビー)は国際オリンピック委員会(IOC)と2028年までオリンピック活動を支援する公式パートナー契約を締結したことにともない、11月19日に都内で記者発表会を開催しました。そのなかで、Airbnbのホームホストとして自宅の部屋をゲストに貸し出している2名が登壇し、Airbnbのホームホストを始めたきっかけや、東京2020オリンピックへの期待などを話しました。その様子をお伝えします。
ホームホストは楽しい!ゲストは駅までお迎えに
Airbnbのホームホストとして登壇したのは金井美代子さんと小林佳寿美さんのお二人です。
金井さんは東京都の狛江市でホームホストをしています。ゲストのチェックイン時には狛江駅までゲストを迎えに行き、そのときに大体の滞在日程を聞き、滞在時の行き先の組み合わせや天気によって動き方をアドバイスしています。海外のゲストに言葉でメッセージを伝えるときは、Googleの翻訳機能を使って対応しているそうです。また、小林さんは東京都で親子三代でホームホストをしています。小林さんもゲストのチェックイン時にはゲストを駅まで迎えに行き、お部屋の中を案内するなど、さまざまな形で交流し、楽しみながら、ホームホストとして活躍しています。
お二人の話の中でAirbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏は「お二方とも駅までお迎えに行くと話していました。駅までお迎えに行くというのはAirbnbのサービスとしては提供していないものですが、日本は道の名前が海外でみられるように明確でないこともあるので、ゲストにものすごく喜ばれます。ゲストにとって満足度の高いサービスにつながっているのでは」と話しました。
なぜホームホストを始めたのか
続いて、金井さん、小林さんがホームホストを始めたきっかけに話が移りました。
日本でもイタリア・フィレンツェの「マンマ」のような体験をしたい
金井さんは、長年の会社勤めの後、58歳のときに早期退職されました。社会人として働くなかでも休暇中には、スキーやカヌーといった好きなスポーツをするために海外に出かけていました。ただ、そのときはスポーツを目的としていたため、観光地をめぐったことがなく、退職してから家族や友人と海外の観光地に出かけたそうです。そして、イタリアのフィレンツェに友人と滞在したとき、Airbnbのホームホストのように活動している80歳の「マンマ」が長期にわたって世話をしてくれたそうです。
その後、「あんなに素敵なマンマと会って、私も日本に帰ってからこんな体験ができたらいいな」と思っているうちに、後輩がAirbnbを探して紹介してくれたことがきっかけとなり、ホームホストになりました。「Airbnbに出会ったときには、フィレンツェのマンマが私のところに来た」と思ったそうです。
60歳の還暦を迎えてから友人と外出するときなどには着物を着て出かけたいと思っていた金井さんは、昔縫った浴衣などをゲストのために何枚か用意しており、着てもらうこともあると話していました。例えば、フランスから来た女性のゲストが部屋に飾っていた花嫁衣裳の着物を見て興味を持ったときには、浴衣を着せ、ベランダで日本の線香花火を体験してもらい、ゲストはとても喜んでいたそうです。なお、この線香花火は、町田市の古民家で行われた線香花火を作る体験プログラムで作ったとのこと。金井さんの一つの体験が、ゲストの日本の夏らしい体験にもつながりました。
いつか子どもに世界のいろいろな体験をさせてあげたい
小林さんは、30年以上前にイギリス、オランダ、スペイン、ドイツ、ベルギーなど、ヨーロッパ各国を旅行しました。そのとき、さまざまな家でいろいろな経験をしたことがとても楽しかったそうです。特に、何週間も滞在する旅だったことから、その旅をきっかけに家族のように接することができるホストファミリーがヨーロッパ中にできたことが楽しかった思い出があり、いつか子どもができたら、同じような体験をさせてあげたいと思ったのがホームホストを始める最初のきっかけになったそうです。
その後、小林さんは、お子様が小学生になる前に、ヨーロッパ、アジア各国などをまわり、お子様とゲストとして家に滞在する経験をしました。お子様は現地の幼稚園に1か月ほど通うこともあり、ホストファミリーがいってらっしゃいと送りだし、小林さんがいないときでもおかえりなさいといって迎えてくれることもあったとのこと。また、どうしてもお子様が現地の食べ物を食べ続けることが難しくなってくるときには、なるべく台所のある家を訪問し、長い間滞在するような、観光だけではない楽しみ方をしたそうです。
Airbnb Japan代表取締役の田邉氏は「こういう形でなければホームホストとしておもてなしできない、活動できないというような決まった形ではなく、気張ることなく、それぞれ異なる普段の生活でゲストを迎えることができるのもホームシェアリングの魅力だと思います」と話しました。
東京2020オリンピックに期待すること
前回の1964年の東京オリンピックも体験した金井さんは「一生涯に二度もオリンピックに出会えるなんて夢のよう。前回大会のときは高校二年生のとき。家に帰る途中のおばの家で開会式を見ました。おばの家も私の家も白黒テレビからカラーテレビに変わったのが印象的でしたが、今度のオリンピックでは何を楽しむかというと、オリンピックを見に来る人が予約してくれたらいいなと思っています。普段、家に来てくれるゲストには、藍布や筒書きのパスケースを作っているので、それに交通機関のカードを入れ、バッグにくくり、観光地を見ている間にそのカードをなくさないように、オリンピックに来てくれた人にも渡してあげられたらうれしいなと思います」と話していました。
また、小林さんは「子どもが器械体操をしているので、オリンピックでは体操競技を見にいきたいと話しています。また、オリンピックに向けて、ゲストに何をしてあげたらもっと楽しんでもらえるか、どうしたらゲストと一緒にオリンピックを楽しめるかなどをAirbnbホストの『ママ友会』で話しています。実はAirbnbホストは、赤ちゃんや子どもと一緒にゲストを迎えられるので、お母さんにとって相性のいいビジネスです。そして、東京に来たゲストとはいろいろな開催地に行きたいと思っています。千葉に実家があるので、週末はゲストと一緒に遊びに行くこともあるのですが、千葉にはオリンピック会場があるので、例えば、サーフィンの会場だったら広いからみんなで見られるかなといったように計画をたてています」と話していました。
お二人とも東京2020オリンピックに期待することや楽しみについて問われるなかでも、ゲストがどうしたら楽しんでくれるか、どのようにもてなすかを話していました。
躊躇しないでホームホストになってほしい
今回、登壇された金井さんと小林さんは、お二人とも旅行先でホストファミリーの家に滞在し、ホストにおもてなしを受ける経験をし、それに魅力を感じたことがきっかけとなり、ホームホストとして活動しています。
小林さんは、Airbnbのホストになることに興味がある方に対し、「躊躇しないで、ホームホストになってほしいです。実際にゲストとしてほかの家に泊まってみて、ホストがこんなおもてなしをしてくれて楽しいなと思ったら、次にホストとして活動してみてください。ゲストだけでなくホストの仲間のつながりも広がっていくので、どんどんコミュニティが広がっていってほしいと思います」とメッセージを送りました。
世界中に家族のように接することができる人々のつながりができ、それがさらに広がっていく。Airbnbのホストとして活動しているお二人からは、日本だけでなく世界に広がるコミュニティ形成のきっかけにもなることがわかります。Airbnbのホストとして多くのゲストを迎え入れ、交流を深めることで、さらに楽しく充実した生活を送ってみてはいかがでしょうか。
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(Livhub編集部)
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