土地活用で固定資産税・相続税を控除できる活用方法は?3パターン紹介

土地活用では、活用方法によって固定資産税や相続税等の控除・軽減制度を利用できるものがあります。課税額が大きい土地であれば、受けられる控除の種類を確認しておくことが重要です。

そこでこの記事では、固定資産税や相続税などの控除を受けられる制度や仕組みを解説し、これらの当てはまる土地活用方法をご紹介します。土地活用方法に悩まれている方はご参考ください。

1.固定資産税や相続税の制度と仕組み

賃貸住宅経営や駐車場経営等、土地活用で固定資産税や相続税等の控除を受けられる国の制度や仕組みを4つご紹介します。

  • 小規模宅地等の特例
  • 住宅用地の特例
  • 固定資産税軽減の特例
  • 長期優良住宅

不動産は相続の際に相続税評価額で評価されるという仕組みや、小規模宅地等の特例・住宅用地の特例等の制度により、一定額評価額や税金を軽減する事が可能です。

さらに国土交通省が定めた、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅(長期優良住宅)の場合は所得税・固定資産税等が控除されます。それぞれ詳しく見て行きましょう。

1-1.相続税評価額を減額する「小規模宅地等の特例」

「小規模宅地等の特例」とは、亡くなられた方(被相続人)が一定の事業や居住用に利用していた土地の一定面積までの部分の相続税評価額を減額する制度です。この制度では、不動産相続時に課税される相続税を控除することが可能です。(※国税庁「小規模宅地等の特例」を参照)

賃貸住宅といった貸付事業以外の事業用の宅地と、被相続人本人・親族・関係者等が出資している会社(特定同族会社)が法人に貸し付けた宅地は、一定の条件を満たした場合に400㎡までが80%減額されます。

不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業といった「貸付事業用宅地」と呼ばれる土地は200㎡までが50%減額、被相続人の居住用の土地は330㎡までが80%減額となります。

ただし、いずれも「相続開始前から相続税の申告期限まで、貸付事業を行っている」「宅地等を相続税の申告期限まで有している」等、特例で定められている要件を満たした場合に限られています。

相続税評価額の50~80%減額と大きな控除が見込めるため、相続時には小規模宅地等の特例があることをおさえておきましょう。将来相続の予定がある方で、要件に当てはまりそうな時は制度活用を検討してみましょう。

なお、被相続人が店舗事業を行っていた場合や、賃貸住宅経営・駐車場経営等の他に事業に至らない継続的な不動産の貸付、農機具等の収納又は農作業を行うことを目的とした建物の敷地も対象となります。

1-2.固定資産税・都市計画税を控除できる「住宅用地の特例」

住宅用地は人が居住するための用途となるため、住宅用地には特例措置が設けられており、税負担が軽減されています。住宅用地に適用される軽減措置は「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」という2種類の用地によって分かれます。

下表の「課税標準額」は税金の計算の基礎となる金額であり、特例が適用されると下記の通り軽減されます。

用地の種類 固定資産税の課税標準額 都市計画税の課税標準額
小規模住宅用地
(200㎡以下の住宅用地、200㎡を超える住宅用地のうちの200㎡までの部分)
固定資産課税台帳価格※×1/6 固定資産課税台帳価格×1/3
一般住宅用地
(200㎡を超える住宅用地のうちの200㎡を超える部分)
固定資産課税台帳価格×1/3 固定資産課税台帳価格×2/3

※国土交通省「土地の保有に係る税制」を参照

不動産の評価は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて行われ、市町村長(東京都23区内の場合は都知事)が価格を決定することになっています。また、一部を店舗や第三者の居住用として提供している併用住宅は、計算方法が異なります。

なお、住宅用地とはアパート・マンション・戸建て物件等で居住用の建物の総床面積の10倍までの土地を指し、建物の敷地だけではなく、駐車場や庭も含まれます。

1-3.新築住宅に関する固定資産税軽減の特例

住宅を新築した場合、新たに固定資産税が課される時から中高層耐火建築物等(3階建て以上)の場合は5年間、その他の建物は3年間120㎡までの部分が1/2軽減されます。(※国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」)

なお、この特例は4年目(マンション等の場合は6年目)から固定資産税の額が元に戻り、適用されるのは令和4年3月31日までに建築された物件に限られています。特例の適用を検討する際は注意しましょう。

1-4.長期優良住宅は更に税金が軽減

構造や設備等が優れており、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた住宅で国土交通省に「長期優良住宅」として認可を受けた場合、住宅ローン減税による控除額が通常の住宅より多くなり、登録免許税や不動産取得税、固定資産税が軽減されます。

2.固定資産税や相続税が控除できる土地の有効活用方法3つ

ここまで、固定資産税や相続税が控除できる税制度をご紹介しました。上記の税制度を踏まえた土地の有効活用方法として、本記事では以下3つを挙げています。

  1. アパート・マンション等の集合住宅の賃貸経営
  2. 戸建て住宅の賃貸経営
  3. 駐車場経営

2-1.マンション・アパート等の賃貸経営

相続税対策として最も控除額が大きくなる可能性の高い土地活用は、賃貸経営です。木造のアパートや鉄筋コンクリート造のマンションを建て、第三者に貸し出すことで収益を得る仕組みになっています。

新たに建築した住宅は「新築住宅に関する固定資産税軽減の特例」で一定期間固定資産税が軽減されます。「住宅用地の特例」や「相続税評価額」「小規模宅地等の特例」も適用される可能性があります。

しかし、マンション・アパート経営を始める前に調べておきたい事は、周辺地域の賃貸ニーズや家賃の相場からシミュレーションを作成し、「事業として成り立つか」という点です。

想定した賃貸ニーズが獲得できなかった場合、空室が増え、控除される税額よりも大きな損失が出てしまう可能性もあります。事前に調査を行い、投資判断は慎重に行いましょう。

2-2.戸建て住宅の賃貸経営

戸建て住宅の賃貸経営は、被相続人の住居を相続した場合にリフォーム・リノベーションを行い第三者に貸し出すケースと、新たに戸建て住宅を建築して貸し出すケースがあります。

これら二つどちらの場合も住宅用地となるため、アパートやマンションと同様に「相続税評価額」「住宅用地の特例」、「小規模宅地等の特例」が適用される可能性があります。

新たに戸建て住宅を建築する場合、マンション・アパート等より初期費用が安く、ファミリー層からのニーズが見込めます。「新築住宅に関する固定資産税軽減の特例」も適用される可能性があります。

一方、被相続人が住んでいた建物を転用する場合、築年数が経過した物件はリフォーム・リノベーションが必要なケースがあります。

しかし、戸建経営の場合であっても初期費用が高額になるケースは少なくありません。また、戸建が建てられる住宅地は賃貸ニーズが減少しているエリアも多く、賃貸経営を始めても供給過多になっている可能性もあります。

戸建経営の場合も、周辺エリアのニーズ調査や経費、ローンの返済額などから長期的なシミュレーションを作成し、慎重に判断することが大切です。

2-3.駐車場経営

駐車場経営は上に挙げた賃貸経営より低リスク・低リターンの活用方法となります。

駐車場には月極駐車場とコインパーキング(時間貸し)駐車場の2つの経営方法があります。月極・コインパーキング共に地域によってニーズが異なりますので、「まずは収入が安定した月極から始めて、需要が少ないようであればコインパーキングに切り替え」といった方法からスタートするケースもあります。

駐車場経営は少ない初期費用で始められますが、住宅用地ではないため、賃貸経営のように住宅用地の固定資産税・都市計画税の軽減がない点に注意しましょう。

なお、相続税に関する「小規模宅地等の特例」は、駐車場の敷地上に構築物(アスファルトや砂利、機械式)構築物がある場合は特例の適用できる可能性があります。特例が適用されると、200㎡まで50%減額されます。

3.税金の控除だけでなく、エリアのニーズに合った活用方法を優先する

アパート・マンション等の集合住宅の経営、戸建て住宅の賃貸経営、駐車場経営と3つの活用方法をご紹介してきました。どの活用方法を選ぶ場合でも、ニーズ調査を行い、その土地に合った活用方法を優先的に検討することが大切です。

税金の控除や軽減のみを見て経営を始めると収支が合わず、税金の控除額よりも大きな損失を生んでしまう可能性があります。ニーズ調査を事前に行ったうえでシミュレーションを作成し、慎重に判断してみましょう。

なお、どちらも同程度のニーズが見込めるエリアと仮定した場合、駐車場・駐輪場経営は賃貸経営よりも初期投資額が少なく済み、運営の手間が少ないというメリットがある反面、税金の軽減率やリターンが低いというデメリットがあります。

一方、賃貸経営は税金の軽減・控除の効果が高く、多くのリターンを得られる可能性があります。ただし、投資金額が高額となることや、周辺エリアの賃貸需要が減少してしまうと大きな損失を出してしまうリスクがある点はデメリットと言えます。

それぞれのメリット・デメリットを比較し、自身の投資目的に合った手段を選択することが大切です。

HOME4U(土地活用)

複数の活用方法を比較する際は、「HOME4U」の土地活用サービスが検討に役立ちます。HOME4Uではマンション経営やアパート経営、駐車場経営、賃貸併用住宅、大規模施設など土地の活用方法を選択することで、最大7社からの収益最大化プランを比較することが可能です。

また、土地の利用規制についてもHOME4Uを通して無料で診断できるため、土地調査の手間を省くことが出来ます。「どのような活用手段があるのか知りたい」「複数の活用手段を比較したい」という場合には、利用を検討してみると良いでしょう。

まとめ

今回、固定資産税や相続税などの控除を受けられる制度や仕組み、3つの土地活用方法をご紹介しました。

賃貸住宅経営は固定資産税や相続税の軽減効果が高い反面、新たに住宅を建てたり、リフォームをしたりする必要があり、投資額が高額になりやすいデメリットがあります。

一方、駐車場・駐輪場経営は低リスク低リターンで気軽に始められるものの、税金の軽減の効果も低めとなっています。

なお、受けられる控除の種類を確認しておくことも大切ですが、どちらの活用方法を選ぶ場合も該当エリアでニーズが獲得できるか、事前調査を優先して行うことが重要です。ニーズ調査を自身で行うことが難しい場合は、複数の業者を比較しながらシミュレーションを比較してみることも検討してみましょう。

※この記事は金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」より転載された記事です。
【元記事】https://hedge.guide/feature/fixed-asset-inheritance-tax-deduction-land-utilization.html

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Livhub 編集部

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