民泊投資で利用できるローンは?5つの投資パターンごとに解説

民泊投資をおこなう上で、手元資金が足りないなどの理由でローンの利用を検討したい場合があります。民泊投資では、投資パターンが複数あり、パターンによって利用できるローンが異なるので注意が必要です。

本記事では、民泊投資で利用できるローンについて、5つの投資パターンに分けてそれぞれのパターンごとに解説していきます。

1.民泊投資で利用できるローンの種類

民泊投資で利用できるローンは、民泊投資のパターンによって間口が異なります。ローンの借りやすさという観点から、賃借物件で行う民泊よりも所有物件で行う民泊の方が利用できるローンの間口は広いといえます。

また、住宅宿泊事業法の民泊で家主が居住しているパターンの場合、住宅ローンが利用できることがあるため、最もローンを利用しやすいケースです。

住宅宿泊事業法の家主不在パターンの民泊と、旅館業法の民泊では、原則として事業性のローンとなりますが、不動産を所有していれば不動産の担保価値も考慮して融資審査がおこなわれます。

賃借物件で行う民泊では、宿泊業の事業計画に基づいた事業性ローンとなり、所有物件のローンと比較して融資審査は厳しくなります。

2.投資パターン別・民泊投資で利用できるローン

投資パターンによって利用できるローンの間口が異なることを説明しましたが、ローンの間口が広い投資パターンから順に、投資パターン別に民泊投資で利用できるローンの種類を説明していきます。

2-1.住宅宿泊事業法の民泊で家主居住パターン

住宅宿泊事業法の民泊で家主が居住しているパターンでは、自己居住部分の床面積が全体の50%以上であれば、住宅ローンを利用できる可能性があります。

一部の金融機関では、民泊の運営を想定した住宅購入に対応する住宅ローンが商品化されています。商品化されていなくとも、賃貸併用住宅などと同様、住宅ローンの枠内で取り扱えるケースは多いと考えられます。

家主居住型の民泊では、住宅ローンのほか、以下で紹介するローンのすべてが選択肢に入り、最もローンの間口が広いパターンといえます。

2-2.住宅宿泊事業法の民泊で家主不在パターン

住宅宿泊事業法の民泊で家主が不在のパターンでは、自己居住用の住宅取得のためのローンではないため住宅ローンは利用できず、不動産を担保とした民泊事業用の事業性ローンを組むことになります。

一部の金融機関では、民泊事業用ローンとして商品化されています。また、住宅宿泊事業法では民泊業の180日制限があるため、不動産投資ローンを民泊事業用に転用できる可能性もあります。

金融機関に民泊用として利用する旨を伝えて確認しましょう。不動産の担保性と宿泊事業の事業性を合わせて審査するため、無担保の事業性ローンよりも審査は通りやすくなります。

2-3.旅館業法の民泊

旅館業法の民泊では、基本的に宿泊事業用の事業性ローンを組むことになるでしょう。事業計画に沿って、宿泊事業の収益性が審査対象となります。ただし、物件取得型では、不動産の担保性も考慮対象となる可能性もあります。金融機関に相談してみましょう。

なお、旅館業は日本政策金融公庫が設けている生活衛生貸付の対象事業となっています。国の政策上の支援であるため、有利な条件で融資を受けられるといえます。

2-4.賃借物件で行う民泊

賃借物件で行う民泊は担保となる不動産がなく事業性が高いため、宿泊事業用の事業性ローンを検討することになります。

2-5.新型コロナウイルス感染症関連の特別融資の利用

日本政策金融公庫では、新型コロナウイルス感染症特別貸付として、新型コロナウイルスの影響を受け、一時的な業況悪化に陥っている事業者を対象に、非常に有利な利率で設備資金や運転資金の融資を行っています。(※日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を参照)

前年または前々年と比べて売上が5%以上減少していれば対象となるほか、開業3か月であっても一定条件の下対象としています。民泊事業を行っていて、条件に当てはまれば融資を受けることが可能です。

このほか、各地方自治体や金融機関では新型コロナウイルス感染症対策融資を用意しているケースがあります。それぞれの自治体や金融機関に確認してみましょう。

3.民泊投資でローンを受けるときの注意点

民泊投資でローンの利用を検討するときは、住宅ローン、不動産投資ローン、事業性ローンの順に審査・融資条件が厳しくなる傾向にあります。投資パターンに合わせて、この順番で検討してみましょう。

なお、住宅ローンを利用した場合、民泊をおこなうと所得税の住宅ローン控除が一部利用できなくなるため注意が必要です。

金融機関のローンは、その用途から貸倒れリスクなどを判断して融資条件を決定しています。事前に民泊用途で利用する旨を担当者に伝えて、虚偽の申告や勝手な判断をしないようにしましょう。

後日、融資時の用途と異なる用途で利用していることが発覚した場合、一括返済を求められることもあります。

まとめ

民泊投資で利用できるローンには、住宅ローン、不動産投資ローン、事業性ローンがあります。投資パターンによって利用できるローンが異なるため、それぞれの状況に合わせて有利なローンの順番で検討してみましょう。

また、既に民泊投資を行っていてコロナウイルス感染症によって影響を受けている場合、コロナウイルス感染症の特別融資の利用を検討するとよいでしょう。

いずれのローンを利用するにしても、民泊業のリスクに配慮して、収支のシミュレーションを綿密におこなったうえで、返済計画をしっかりと立ててから融資を受けることが大切です。

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Livhub 編集部

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