Airbnbの収益を最大化する価格戦略テクニック

Airbnbを利用して民泊運用の収益を最大化するためには、稼働率や予約状況などに応じていかに戦略的な価格設定を行うか、という視点が大切です。当然ながらエリアの相場よりも価格を安く設定すれば稼働率は上がりますが、そのぶん利益は削られます。その逆に価格を高く設定すれば、顧客単価は高まりますが、稼働率が下がってしまい、結果としてトータルで得られる利益は減る可能性もあります。

民泊運用において安定的に利益を上げ続けるためには、ホテルや旅館などのホスピタリティ業界同様、需要と供給のバランスを見ながら戦略的に価格を調整・変動させていくことがとても重要なのです。

そこで、ここではAirbnbの収益を最大化するための価格戦略・テクニックについてご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

Airbnbの価格設定方法を理解する

Airbnbには宿泊料金の価格設定については様々な設定が存在しています。設定できる項目は下記の通りです。

  • 基本料金
  • 長期滞在料金
  • 清掃料金
  • 週末料金
  • 追加人数の料金
  • 保証金

ここでは、それぞれの料金設定におけるポイントをご紹介していきます。

基本料金

基本料金は、言葉通り1泊あたりの基本料金となります。Airbnbには様々な料金設定項目がありますが、必須項目となっているのはこの基本料金だけです。Airbnbのホストを始める方が最初に迷うのは、この基本料金をいくらに設定すればよいか、という点だと思います。おすすめの方法は、下記の手順で決めることです。

  1. 自身の物件の周辺エリアの相場価格をリサーチする
  2. 最初は予約をとるために約20~30%、相場よりも低い価格に設定する
  3. 予約・レビューが集まってきた段階で相場価格へと戻していく

まずは自身の物件があるエリアの競合となる物件がどのような価格設定をしているのか、Airbnbで検索をして調査してみましょう。その上で、あえて最初は予約をとりやすくし、評価の高いレビューを戦略的に増やしていくことでアカウントの信頼性を高めていきます。早く高いレビューを集められれば集められるほど早く高収益スパイラルに突入できますので、初期の低価格設定はそのための投資と考えましょう。

また、Airbnbでは推奨料金を教えてくれますが、こちらの数値は現状あまり洗練されていないため、完全には信用しないほうがよいでしょう。

長期滞在料金

長期滞在料金は、週割りまたは月額の料金となります。週割料金が適用されるのは7泊以上の場合で、月額料金が適用されるのは28泊以上の予約となります。長期滞在(28泊以上の)の検索結果に自身の物件を表示させたい場合は、この月額料金を設定する必要があります。

1週間以上の長期滞在を促進するメリットは、安定的な稼働が見込めるという点と、清掃に入る回数を減らすことができ、清掃コストの削減につながるという点です。また、複数の新しいゲストとやりとりする手間なども減りますので、その点もメリットと言えます。一方で、週割、月額料金は短期滞在の場合よりも1泊あたりの料金を低くする必要がありますので、そのぶん1泊あたりの売上は短期滞在の場合よりも下がる可能性があります。

長期滞在は物件による向き不向きもありますので、その点も留意しましょう。例えば都心部の物件で出張ビジネスマンをターゲットとする物件にはあまり向いていませんが、逆にリゾート地にある物件にとっては長期滞在の価格設定が勝負となってきます。物件の特性やターゲットを考慮した設定が求められます。

Airbnbでは週や月限定のカスタム料金も設定できるようになっていますので、物件があるエリアのピークシーズンやイベント開催なども考慮した価格設定をするのもおすすめです。

清掃料金

清掃料金は、1泊ごとではなく、予約料金の合計に加算される1回限りの課金となります。清掃料金は宿泊日数によって変動するものではありませんので、これはゲストの立場からすると、宿泊日数が長ければ長くなるほど1泊あたりの清掃料金は安くなるということです。そのため、清掃料金は長期滞在を促すためのツールとして戦略的に活用することが重要です。

週末料金

週末料金は、毎週金曜日・土曜日の夜だけ、平日と違う週末の特別料金を設定できるシステムです。通常のホテルや旅館でも一般的に週末は平日よりも高めの料金が設定されていますが、Airbnbでも同じことをすることができます。

追加人数の料金

追加人数の料金は、基本料金の宿泊人数を超えた場合に1名毎に加算される1泊の料金のことを指します。この追加人数の料金についても設定に悩む方が多いのではないかと思います。

方法としては、基本料金を安めに設定し、基本となる宿泊人数も少なめにすることで追加人数の料金で稼いでいく方法と、基本料金を高めに設定し、4人目以降など大人数の場合だけ追加人数の料金をとっていく方法です。

これについてはどちらの戦略がよいかと聞かれることも多いのですが、基本的にはどちらもメリット・デメリットがあり、一概に答えることができません。前者の場合、検索結果での価格は低く表示されるため、見た目はよくなりますが、「今すぐ予約」をオンにしている場合、人数が少なめの予約を入れられてしまっても断ることはできませんので、売上が伸び悩むリスクはあります。また、後者の場合はその逆に、人数に関わらず一定の金額を見込めるため、今すぐ予約を使うリスクは減るものの、検索結果に表示される料金は高く見えますので、クリックされづらくなる可能性は高まります。

一点ポイントを上げるとすれば、直近に入る予約ほど、宿泊人数は少ないという傾向を理解しておくことです。直前の旅行予約の場合、家族旅行などのケースはあまりないからです。そのため、まだ予約が入っていない民泊運用の初期については、その点を考慮したチューニングをする必要があります。運用初期のころは直近の予約をどんどんと埋めていく必要がありますので、人数が少ない宿泊客をメインに獲得するために、基本料金を安めに設定し、基本となる宿泊人数も少なめにする、といった形です。ただし、1名ばかりの宿泊が多くても売上が伸びませんので、例えば2名までは同価格にして3名以降は追加料金をとる、といったやり方がよいでしょう。

保証金

Airbnbでは、ゲストが部屋の家具を破壊したなど、万が一の事故があった場合に、100~5,000米ドルまでの補償金を請求できるシステムを用意しています。ただし、こちらはゲストではなくAirbnbからの保証プログラムもありますので、基本的には0円でよいと思います。

Airbnbでは、万が一、ゲストが保証対象となる財物に損傷を加え、保証金を超える被害が発生した場合や保証金がない場合に、最高約1億円まで補償するプログラムを用意してくれています。ただし、Airbnbの保証プログラムでは、金銭、有価証券、収集品、希少価値のある芸術品、宝石、ペット、対人などについてはホスト適用対象外となっていますので、貴重品などは必ず金庫などの安全な場所か、そもそも物件には置かないようにすることをおすすめします。また、老朽化や摩損に伴う損傷もプログラムの対象外となりますので、その点も留意しておきましょう。

収益を最大化するための価格戦略テクニック

Airbnbの基本となる料金設定の仕組みを理解したら、次はこれらの仕組みも踏まえたうえで、収益を最大化するための価格戦略テクニックをご紹介したいと思います。

  • 稼働率に応じた価格設定
  • 最低宿泊日数を効果的に活用する
  • イベント開催時などは強気の価格設定がおすすめ

それでは、それぞれのテクニックについて簡単に説明していきます。

稼働率に応じた価格設定

適切な価格設定により収益を最大化するためには、需要と供給のバランスを常に意識する必要があります。稼働率が高い状況であるにも関わらず安い価格設定をする必要はありませんし、逆に稼働率が低ければ、空室のままにしておくよりは価格を下げてでも予約を入れたほうが収益はあがります。

そのため、Airbnbの運用においては数か月先までの予約状況、稼働率をウォッチしながら、状況に応じて柔軟に価格を変えていくのがベストです。大体の目安としては、下記の数値を参考にしてみてください。

  • 3ヶ月後~半年:10%
  • 2ケ月後~3ヶ月後:25%
  • 1ヶ月後~2ケ月後:50%
  • 15日後~1ヶ月後:75%
  • 直近2週間:90%以上

左側が期間、右側が目安となる稼働率となります。たとえば、1ケ月後~2ヶ月後のカレンダーを見たときに、既に稼働率が50%を上回っている場合は、価格を上げに行きましょう。逆に、カレンダーを見たときに目安の稼働率を下回っている場合は、価格を下げていきます。そして直近2週間でも埋まっていない日があれば、さらに大きく価格を下げていきます。

このように稼働状況に応じて価格を調整していくことで、稼働率を100%に近づけながら、できる限り高い宿泊単価を実現できるようになります。

最低宿泊日数を効果的に活用する

最低宿泊日数は、価格設定と同様に収益を最大化するうえでとても重要な機能です。おすすめの最低宿泊日数は1泊となりますが、これはケースによって柔軟に調整していく必要があります。

先ほど、直近で予約が埋まっていない場合、価格を思い切って下げていくことで稼働率を100%に近づけていくことが重要だとお伝えしましたが、例えば直近で3日間予約が埋まっていないカレンダーがあった際、そのど真ん中に1泊だけ予約を入れられてしまうと、それだけで、残りの2日間は1泊の予約しか受け付けられず、稼働できなくなる可能性が一気に高まってしまいます。

そのため、例えば直近で3~4日の予約の空きが発生している場合、最低宿泊日数をその日数に合わせることで、その日数を探している人だけに見せるといった工夫をする必要があります。収益を最大化するうえで最も避けるべき事態は、直前の特別価格で1日だけ予約されてしまうというケースですので、そのリスクを避けるためにこの機能を上手く活用します。

イベント開催時などは強気の価格設定がおすすめ

宿泊価格は需要と供給に応じて変動させるのが基本ですので、コンサートや会議、お祭りなど突発的なイベントにより大幅な需要増加が見込まれる場合、当然ながらこの時期は強気の価格設定をしていくべきです。

そしてその際のポイントは、ただ単純に普段よりも高い価格を設定するのではなく、常に競合よりも高い価格で設定し続けるという点です。通常、イベントのスケジュールなどはかなり前から公開されていることがほとんどですから、計画性のあるゲストは確実に安く宿泊先を抑えておこうとかなり早い段階から予約を入れてきます。

逆に、計画性のないゲストは直前になって予約を入れてきますが、彼らは多少価格が高くても予約を入れてくる傾向があります。そのため、ホストの立場としては、あまりに事前から予約を入れられるよりは、直前で焦って予約をしてくるゲストを対象にしたほうが単価を高められるのです。

イベント当日やその前後についてはその地域全体がほぼ稼働率100%となることが予想される場合、あえて高い価格を設定し、それを直前まで維持し続けることで、最終的には一番得をすることもあるのです。そのため、イベント開催時は先ほどご紹介した稼働率の目安を大きく下回っていたとしても、あえて強気の姿勢を崩さずにいくことが重要です。

最適な価格設定戦略はプロに任せるのも一つの手

いかがでしたでしょうか?Airbnbなどのバケーションレンタルサイトを活用して民泊運用をする場合、収益を最大化するためには緻密な価格戦略が重要になってくることがお分かりいただけたのではないかと思います。

しかし、こまめな価格調整には非常に手間がかかりますし、競合リサーチなどにも時間がかかります。そこでおすすめなのが、Airbnb・民泊運用代行会社を活用するという方法です。代行会社は常に複数の物件を運用管理しているため、膨大なデータを基にこまめかつ最適な価格調整を行うことができます。

また、運用代行会社は多くの場合、売上の20%といった成功報酬制の課金システムをとっており、物件の稼働率が売上に連動してくるため、彼ら自身が稼働率を最大限引き上げるための努力を惜しみなく行ってくれます。

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政府公式の民泊制度運営システムについて

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(Livhub 編集部)

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