中国民泊大手の途家が全額出資の日本法人を設立し、民泊に関する新法の成立を見据えて日本に進出すると、日本経済新聞が2月1日付けで報じた。
途家が設立した日本法人は近日ウェブサイトを立ち上げる予定であり、2020年には日本の登録物件数5,000件を目標とする。訪日中国人客向けに民泊を提供できる貸主を募る見通しだ。
中国途家との違いは、手数料だ。現在、民泊最大手のAirbnbが宿泊費から手数料を借り手(ゲスト)から3%徴収しているのに対し、中国途家では、貸主(ホスト)から12%を徴収している。しかし、日本途家では手数料としてホストから3%を徴収する。手数料を抑えることで物件をより確保しやすくする狙いだ。
途家は2011年設立の、スマートフォンアプリを中心とした民泊予約サイトである。中国335都市、タイなど世界約70か国に45万件の登録物件があり、中国版Airbnbと評される。ホストから宿泊施設を借り、あるいは空き家を買い取り、民泊に関わるすべての管理を請け負うスタイルを特徴とする。
日本途家においても、そのノウハウが活かされる。空き家を民泊物件に転換するよう家主に働きかけ、あるいは取得することで自前の宿泊施設として運用する見通しで、民泊新法の制定を見据えた直営の物件管理会社を設立する。
途家の利用者は9割以上が中国人であり、日本途家も中国人ゲストが中心となる見込みだ。そのため、日本と中国からの相談を受け付ける「カスタマーサポート」を設置するほか、日本のサービスを体験したい富裕層を開拓すべく、旅館予約サイト「relux」を運営するロコパートナーズとも提携する。「relux」は高級旅館700件と提携しており、1日から宿泊可能である。
観光庁は、中国のいわゆる「爆買い」のような消費は為替動向に影響を受けやすいことから、訪日客の裾野を広げるべく、これまでアジア中心であった訪日プロモーションを欧米豪に移していく意向を示している。しかし、ここにきて民泊世界最大手のAirbnbを猛追し勢いをみせる途家が日本に進出することで、アジア圏からの民泊需要が格段に伸びる可能性が広がった。
【参照ページ】中国民泊大手の途家、日本に進出 訪日客の囲い込み狙う
【参照ページ】AboutTujia_关于途家-途家网
【参照ページ】途家与大连市达成战略合作 “美丽乡村”、“全民房东”计划受瞩目_网易新闻
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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