民泊・ホテル・旅館に特化したクラウドソーシングサービス「mister suite(ミスタースイート)」を展開する株式会社SQUEEZEは11月25日、日本で初めてとなるシェアリングエコノミーサミットにシェアリングエコノミー協会の会員として参加し、「アムステルダム・ソウルにおける事例レポート」をまとめ、公表した。
レポートによると、今回のシェアリングエコノミーサミットでは、アムステルダムでシェアリングシティを推進するShareNL社の共同創業者のHarmen van Sprang氏が講演を行ったという。
アムステルダムで提供されているシェアリングサービスは、AirbnbやUberの他に、なんでも物をシェアする「Peeby」、近所の方とご飯(料理)をシェアする「Thuisafgehaald」、アムステルダムならではの川を横断する際のボートをシェアする「Barqo」、配達と車の旅を組み合わせトランクが空っぽの車に荷物を運んでもらう「PickThisUp」、3Dのプリンターをシェアする「Sharing 3D printers」、無料または有料の先生からスキルを学んでシェアする「Konnektid」、ケア(ゲームの相手から介護まで助けを必要とするもの)をシェアする「wehelpen」、風車のオーナーから直接エネルギーをもらってエネルギーをシェアする「powerpeers」などがある。
アムステルダムでは地域に根ざしたシェアリングサービスがトレンドであり、アムステルダムの調査によると、84%の市民が何かしらの形でシェアリングエコノミーに関わりたいと思っているとの結果が出ているという。今後、アムステルダムのスキポール空港でもシェアの取り組みを推進する見通しだ。こうした意見が大半である中、アムステルダムでは、例えば、Airbnbを利用する場合は年間60日間に限定し、個人がホテルのような運営を行うことができないようにするといった規制を設けている。
一方、アジアで唯一のシェアリング都市ネットワークに加盟している都市であるソウルからは、ソウル市イノベーション局局長の全烋寛氏が講演を行ったという。ソウルでは都市問題の解決策として、行政が進んでシェアリングエコノミーを促進している。
シェアリング事業としては、公共施設である空間(駐車場や会議室)の市民への開放、車と駐車場のシェアリング、ホームシェア、本(共有図書館100か所)、日常工具のシェアリング、子供の洋服やおもちゃのシェアリングが行われている。また、補助金、博覧会やイベントの開催、シェアリングエコノミーに対する教育などがあり、82の企業に対してコンサルティングや助成金の交付が行われている。
社会的な意義のあるものが主となっており、例えば「ホームシェア」においては居住費が高く支払いが困難な大学生に老人が余っている部屋を提供することで、大学生は安く居住することができ、また老人の孤立防止にもつながるという内容である。今後は、学校・大学・会社・他国・政府・地域などの幅広いステークホルダーとの関係を構築していく見通しだ。
世界で様々な広がりを見せているシェアリングエコノミーであるが、日本では空き家対策や、地方への観光客の誘致を中心に、旅自体を充実させるツールが様々登場している。日本で今後どのように展開していくのか、期待が高まる。
【参照リリース】シェアリングエコノミー都市 「アムステルダム・ソウルにおける事例レポート」
【参照リリース】シェアリングエコノミー都市について [シェアリングエコノミーサミット]
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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