キュレーションメディア事業を展開する株式会社オスカー(以下:オスカー)は6月6日、民間による全国初の違法民泊通報サービス「民泊ポリス」を、5月26日より試験的に運用開始したと公表した。
既に京都市では、民泊110番を設置、Airbnbでは自社サービスの苦情窓口設置等、迷惑民泊提供者や違法民泊提供者を撲滅する動きが加速している。一方、民泊ポリスは、民間による第三者機関として、透明性を担保しつつ行政の不足を補うことを目的として開始された。特徴は、通報時における匿名性を確保した一元的な通報窓口である点にある。
匿名による通報を受け付けると、運営者が主要民泊仲介サービス内で物件を特定する。管理会社・物件オーナー・保健所に事実を伝え、違法状態の是正を促すという流れだ。
サイト上での記入欄は住所と部屋番号のみだ。住所が分からない場合は、グーグルマップ上にピンを置くのみで良い。
同サービスにおいて、民泊仲介サービスより得られる情報のみでは物件アカウント(リスティング)の特定は非常に困難としているが、建物名や部屋番号が通報により判明することで、画像をはじめとした様々なインターネット上の情報から、物件アカウントの特定が容易になると見ている。
現在は違法民泊物件情報の蓄積を最優先とし、その質と量を追求しており、今後は民泊仲介サービスを対象としたクローリング(自動情報収集)、人工知能を取り入れた特定方法も視野に画像解析を進めていき、通報情報と突合した精緻化を図っていく見通しだ。
6月7日現在、通報件数は10件、内事実確定した物件は6件だという。京都市が民泊物件の殆どを実態把握できなかったことを思えば、目覚ましい成果と言えるだろう。
民泊ポリスでは悪戯や悪意の通報を懸念しているようだが、善意ある通報で今後の民泊全体の質の向上を期待したい。
【参照ページ】全国初の民間第三者機関による、違法民泊追放サービスの開始について
【参照ページ】民泊ポリス
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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