国交省、マンションごとに民泊の可否明示を求める方針

空き部屋に旅行者を有料で泊める「民泊」の広がりを受け、国土交通省(以下:国交省)はマンションの管理規約に民泊の受け入れの可否を明示するよう促すことを決めたことを朝日新聞が10月27日付けで報じた

国交省はまずは特区内のマンションに管理規約の変更を勧めるほか、特区内のマンションを販売する不動産会社にも、民泊を認める物件か明示することも求めていく方針だ。

マンションの管理においては、多くのマンション管理組合が国交省作成の「標準管理規約」を雛型として使用している。同規約内に民泊に関する記述は存在せず、現在の規約で民泊が可能か、識者らの見解も分かれるという。

国土交通省は2015年12月の時点で、管理組合に無断で民泊用に貸し出されトラブルとなっている事例が発生していることを受け、分譲マンションで国家戦略特区法に基づく民泊(特区民泊)を行う場合、規約の改正が必要との見解を示していた。

特区民泊は今年2月から運用が開始されており、民泊物件も順次増加している。また、政府は31日より民泊で条件としていた最低宿泊日数を「6泊7日以上」を「2泊3日以上」に緩和しさらに利用を促す方針となっている。来年の通常国会では全国で民泊を認める新法案が提出される予定だ。

こうした民泊推進の動きがある一方、現行制度において許可なく運用されている違法民泊も横行しており、ゴミ出しや騒音を巡るトラブルが後を絶たない。そこで、国土交通省は部屋を「民泊に使用できる」「できない」の2通りの管理規約の文案を作成し、近くマンション管理や不動産の団体、全国の自治体に通知し、規約での可否の明示を求める形でそれらの問題に対応する方針を打ち出した。

【参照ページ】新宿区が民泊に独自ルール検討へ 犯罪に利用懸念
【参照ページ】「分譲マンションで民泊、規約改正必要」 国交省が見解

(Livhubニュース編集部 平井 真理)

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平井 真理

東京都出身。これまでダイエットアプリ、霊廟、ゲームなど幅広い業界での商品紹介やノウハウなどのライティング経験あり。ウェブライターの経験を活かし、主に民泊・Airbnb関連のニュース記事の執筆を担当。