観光庁は9月28日、災害発生時等、非常時における外国人旅行者の安全・安心確保のための緊急対策案を公表した。
これにより、観光庁は、JNTO(日本政府観光局)のコールセンターについてあらゆる手段を用いて周知しつつ、災害発生時等において、24時間365日、英語・中国語・韓国語で相談を受け付ける体制を確立することをはじめとし、関係省庁・機関と連携することで、さまざまな場面で外国人旅行者が情報を入手しやすくするよう環境整備を図る。
JNTOのコールセンター以外での情報提供については、災害発生情報のプッシュ通知の拡大や災害時ガイダンス機能の強化、非常用電源や携帯電話充電機器の整備等の支援、Facebook、Twitter、微博(ウェイボー)、微信(ウィーチャット)等の公式SNSで多言語でのきめ細かい災害関係情報の発信を行う。Twitterでは、JNTO本部のアカウントを新規に立ち上げる。
また、災害発生時等において、鉄道では、新幹線において、既存の通信設備で遅延発生時の車内英語放送(音声・テロップ)は可能であることから今後積極的に実施するよう乗務員等の訓練・意識喚起を実施すること、新幹線等の駅改札口・券売機・きっぷ売り場等における外国語での運行情報掲出の徹底・強化を速やかに実施することが盛り込まれた。さらに、東海道新幹線においてスマートフォンやタブレットを活用した車内・駅での英語による情報提供を直ちに試行し、平成31年度中にも本格導入する。そのほか今年度中にウェブサイトでの列車走行位置・遅延情報等をリアルタイムかつ多言語で提供する方針だ。
そして、空港では、関西国際空港、新千歳空港を含む主要7空港において、年内にも中国語と韓国語を中心に多言語対応可能な空港会社職員の新規雇用や研修、そして航空会社やテナント等の空港内関係機関の職員の協力体制の構築、携帯電話の充電専用機器や多数個口の電源タップ、モバイルバッテリーの確保等を実施し、速やかに他の国際線就航空港へ展開する。
今回の対策案は、台風21号や北海道胆振東部地震の際、訪日客への情報提供が十分でなかったとの指摘を受けて発案された。駅や空港はもちろん、国内に滞在するあらゆる訪日客と迅速に情報を共有するために、現状存在する手段を適切に活用することが求められている。今回発表された各取り組みが進むことで、訪日客が災害発生時に一刻も早く不安なく行動できるようになることが期待される。
(Livhubニュース編集部)
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