アジアからの関西旅行者の民泊利用は約1割。昨年から増加せず。日本政策投資銀行調査

日本政策投資銀行はこのほど、関西圏のインバウンド動向についてまとめた「関西のインバウンド観光動向」を公表した。同調査によると、関西訪問経験者の民泊利用は、2015年には希望者が14.9%、経験者は11.7%だったのに対し、2016年は希望者は20.4%と大幅に増えたものの、実際の経験者は11.1%と昨年とほぼ横這いで推移する形となった。

国別に見てみると最も民泊利用率が高かったのがインドネシアからの観光客で16.5%、続いて韓国が16.0%、マレーシアが15.6%と続く。中国からの観光客の民泊利用率は6.2%と低く、逆に日本旅館が73.7%となっており、伝統的な旅館に対する人気の高さがうかがえる形となった。

また、関西を訪問した理由については、京都は伝統的な日本を見たいという理由が多いのに対し、大阪では見たいもの、体験したいことのニーズがより多様であることも分かった。アジアからの訪日客が関西のなかでも地域によってそれぞれ異なるものを求めていることが分かる。

民泊データ分析「BnB Insight」のデータによると、2017年6月1日時点、Airbnbに掲載されている大阪府全体の民泊物件数は12,428件、京都府全体では5,165件となっており、大阪では今年に入ってから件数は横ばいの状況が続いているが、京都では未だに増加し続けている。両者の民泊物件数を合わせれば東京都の17,268件を上回る件数となり、関西圏における民泊人気は以前として根強いが、既に京都は大阪ではインバウンド需要を見越した旅館やホテルの建設なども進んでいる。民泊新法の施行後に、合法民泊とホテルがどのように市場のパイを分け合っていくのか、引き続き注目したい。

【参照サイト】日本政策投資銀行「関西のインバウンド観光動向」

(Livhubニュース編集部)