民泊経営に利用できる補助金は?宿泊業向けのコロナ対策金も

民泊を経営するにあたって一定の条件を満たした場合、官公庁や自治体から補助金が出る事があります。また、新型コロナ感染拡大により売上げ減少や営業自粛等の影響を受けている民泊も、要件をクリアした時には持続化給付金や雇用調整助成金を貰う事が出来ます。

これから民泊経営を始める、もしくはすでに運用中の場合でも、これらの補助金を活用しながら運営していくことを検討してみましょう。

この記事では、民泊経営で活用できる補助金と新型コロナ対策の各種制度をご紹介していきます。

1.民泊経営に利用できる補助金制度

民泊の経営において利用できる補助金制度には、①観光庁の公募による補助金制度、②各地方自治体の改修時における補助金制度、③各地方自治体の地域活性化を目的とした補助金制度の3つがあります。

1-1.観光庁での公募による補助金制度

観光庁では観光事業者向けへの補助金制度を不定期に公募しています。

例えば、2019年5月には「宿泊施設基本的ストレスフリー環境整備事業の公募」として、訪日外国人旅行者が快適に宿泊できる環境を整備するため、宿泊事業者が実施するWi-Fi整備やトイレの洋式化、多言語対応(国際放送設備、タブレット端末等の整備)といったインバウンド受入に対する支援を実施しました。

公募期間は2019年5月15日~7月19日で、無線Wi-Fiの設置、トイレの洋式化、ムスリム受け入れマニュアルを作成等のインバウンド受け入れ環境を整備した事業者に対し、経費の1/3(上限150万円)を支給しています。

上記の他にも宿泊施設のバリアフリー化や新型コロナウイルス感染症対策におけるアドバイザー派遣に対する経費支援の取り組み等を随時行っています。

これらの補助金は公募制となっており、必ずしも支給されるとは限りませんが、プロジェクトによっては一度補助金をもらった場合でも再申請が可能なものもあります。観光庁のウェブサイトで宿泊施設が利用できる補助金の公募が行われていないか、チェックしてみましょう。

※出典:観光庁「事業者向け補助金

1-2.地方自治体の改修時の補助金

地方自治体でも民泊物件の改修における補助金を支給していることがあります。福井県坂井市と石川県金沢市の補助金支給の事例をご紹介します。

坂井市では市内に本社又は事業所を所有する民宿事業者を対象に、県外観光客の誘致のための宿泊施設整備・古民家や空き家を改修した際に、必要な経費の3分の2以内(上限は1000万円)の補助金が支給されます。

※出典:坂井市「坂井市民宿リニューアル支援事業補助金について

金沢市では市内で営業するホテル、旅館、簡易宿所、住宅宿泊事業法に関わる住宅が内装工事、バリアフリー工事等を行った際に経費の合計額の2/3(上限 700 万円)の補助金が支給されます。

ただし、経費の合計額の2/3(上限 700 万円)は新型コロナ感染拡大の影響により2021年度限定となっており、通常は合計額の1/2、上限は500万円に設定されています。

※出典:金沢市「金沢市宿泊施設改修事業

改修工事を行う予定の方は、民泊の所在地の自治体が上記のような支援制度を行っていないか調べてみましょう。ただし、いずれも一定の条件を満たすこと、申請の手続きが必要となります。

1-3.地域活性を目的とした民泊経営への補助金

鳥取県や愛媛県越智郡上島町では、古民家を活用した特色のある民泊運営や、町内での体験・指導により来訪者を歓迎、地域を活性化するための民泊経営を行う事業者に補助金を支給しています。

鳥取県では主に自宅を活用した家主居住型の民泊において、「魅力ある宿泊体験メニュー創造事業」として地域資源を活用した特色ある商品、サービス等の企画・開発等を行った事業者に対し、経費の2/3(上限額50万円)を支給する取り組みを公募型で募集しています。

その他には「魅力ある滞在エリア創造支援事業」として地域ぐるみで「おもてなし」を向上させる取組みやエリア内での滞在時間を増やす取組み等に対し、経費の2/3、上限額60万円補助金を支給し地域活性化を図っています。

※出典:鳥取県「滞在型地域創造事業補助金

また、愛媛県越智郡上島町では「上島町まるごと島暮らし体験」と題し、来訪者とありのままの島での体験を通じて交流し、地域や人とのつながりを重視した取り組みを計画、街でのイベントや民泊受け入れを推進しています。

上島町民泊登録簿に登録すると、民泊整備をしようとする個人に10万円を上限とした補助金が支給されます。

改修時の補助金と併せ、民泊所在地の自治体が上記のようなプロジェクトを開催しているか確認してみましょう。

※出典:上島町「【上島町まるごと島暮らし体験】

2.宿泊業向けのコロナ対策金

民泊事業を始めとした宿泊業は、新型コロナ感染拡大により売上げの減少や営業自粛等大きな影響を受けています。

国では新型コロナにより経済的な影響があった事業者に対し、事業の継続を目的として持続化給付金や雇用調整助成金などの支援制度を行っています。それぞれ支援の内容を詳しく見て行きましょう。

2-1.持続化給付金

持続化給付金は新型コロナ感染症拡大により、営業自粛といった大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支えるために事業全般に広く使える給付金を給付する制度です。

個人で民泊を経営している場合、下記2点が条件となります。

  1. 2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており今後も事業継続する意思があること
  2. 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること

こちらの制度では、2019年内に開業していることが条件となっていることが分かります。ただし、特例として2020年に開業した方も、下記の2点を満たす場合、給付金が支給される可能性があります。

  1. 2020年1月から3月の間に事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること
  2. 2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、2020年の開業月から3月までの月平均の事業収入に比べて事業収入が50%以上減少した月が存在すること

給付額は100万円が上限で「2019年の売上―(収入が減少した月の月間収入×12)」となります。

なお、給付額の算定は確定申告の方法が青色申告・白色申告で異なります。法人の場合は資本金10億円以上の企業を除く中小法人やNPO法人等が対象となり、個人と同様の条件を満たした場合に200万円を上限として、「売上が減少した年度の年間事業収入-(売上が減少した月の月間収入×12)」が支給されます。

※出典:中小企業庁「持続化給付金とは

2-2.政府系金融機関・民間金融機関による実質無利子・無担保の融資

日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を始め、民間の金融機関でも2020年12月9日現在で、191機関において実質無利子・無担保の融資を行っています。

一部の都道府県では、一度事業者が利子分を支払った後に、利子分を事業者に返却することで、金利負担が実質的に無利子となる仕組みとなっています。

対象となるのは、個人事業主又は小・中規模事業者となっており、融資の上限額は4000万円です。金利・保証料に関しては以下のようになっています。

売上高-5% 売上高-15%
個人事業主 保証料・金利ゼロ 0%
小・中規模事業者 保証料1/2 保証料・金利ゼロ 

※出典:経済産業省「民間金融機関における実質無利子・無担保融資

2-3.雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、従業員を雇っている事業者が対象となります。

新型コロナウイルス感染症の影響により、「事業活動の縮小」をせざるを得ない場合に、従業員の雇用維持を図るために、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当の一部を助成するものです。

経営状況が悪化し、事業活動が縮小している、直近1ヶ月間の売上高が前年同月比5%以上減少しているといった一定の条件を満たした事業者に対して、「雇用保険被保険者」である従業員に対する休業手当を給付します。

雇用保険は雇用形態にかかわらず、① 1 週間の所定労働時間が 20 時間以上、② 31 日以上の雇用見込みがある場合に、原則として被保険者となります。

上記の雇用保険被保険者の条件を満たしていないアルバイトを雇っている際の休業手当は、「緊急雇用安定助成金」の助成対象となります。

給付額は1人1日あたり15,000円を上限として、企業規模別の助成率、休業手当の支払い率などを元にした計算式で算定します。

従業員を雇っている事業者の中で、休業を余儀なくされている方は雇用調整助成金の申請を検討してみましょう。

※出典:厚生労働省「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

まとめ

民泊経営に利用できる観光庁・地方自治体の補助金制度や、宿泊業向けの新型コロナ感染症に関する支援制度をまとめました。

補助金や給付金の中には仕組みが複雑なものもありますので、該当機関のウェブサイトを確認、又は窓口で相談しながら申請を行いましょう。補助金や給付金を上手に活用し、民泊経営に活かしていきましょう。

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Livhub 編集部

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