観光庁、ICTを活用した動態調査。国や季節ごとに変わる訪日外国人の関心が明らかに。

観光庁は1月20日、訪日外国人旅行者増加の効果をゴールデンルートのみならず広く地方に波及させることを目的とした、ICTを活用した訪日外国人の平成27年度観光動態調査の結果を公表した

観光動態調査は、「ローミングデータ」、「GPSデータ」、「SNSデータ」を活用し、一次分析(主にマクロ的な把握を目的)及び二次分析(主にミクロ的な把握を目的)が行われた。

「ローミングデータ」の調査では、訪日外国人は東京と大阪に集中する傾向が高く、宿泊時間帯ではその傾向が顕著に現れた。さらに、宿泊時間帯の東京と大阪の集積比率は日本人が約16%だったのに対し、訪日外国人は約45%であることが分かった。また、季節別の集積比率をみると、東京都は春の集積比率が比較的高いのに対し、大阪府は夏の集積比率が比較的高かった。

日本人に比べ外国人集積比率が比較的高い観光エリアは、沖縄と北海道である。沖縄は日本人の7.8倍、北海道は4.0倍であった。一方、季節別割合が低いエリアを見ると、冬の割合が低いのは京都府18%、山梨県16%、富山県15%であり、北海道では春が18%に、長野県は春、夏、秋ともに18%に留まった。

「GPSデータ」の調査では、訪日外国人の夏の隣接都道府県間の流動(都道府県間の地上移動)は東京から京都・大阪までのゴールデンルートに集中が見られた。一方、秋になると、同じく東京から京都・大阪までのゴールデンルートに集中が見られたが、近畿地方から中国地方への流動が増加傾向となった。さらに冬は、東京から京都・大阪までのゴールデンルートの他に秋と比較すると北海道地方の流動がやや増加傾向となる。

「SNSデータ」の調査では、訪日における各国・地域の「見る(ランドマーク)」に関するランキングは、東京、大阪、京都といったゴールデンルート上のランドマークに関連する話題が上位を占めた。ゴールデンルート(東京、京都、大阪、奈良、神奈川、愛知、静岡、千葉)を外したランキングでは、比較的、台湾からの訪日客の発言比率が高くなり、「足利フラワーパーク」、「河内藤園(かわちふじえん)」といった個別の観光スポットに関する発言もあった。CNNの選ぶ「日本の最も美しい場所31選」に選ばれ、SNSで拡散したことが要因と見られる。

また、「食べる」関連発言に占める食ジャンルでは、中国はラーメン及び牛肉(ステーキ等)、台湾・韓国はビール及びラーメン、香港とアメリカはラーメン及び寿司が上位であった。各国・地域のランキング上位に位置したのはラーメンや寿司であった。

観光庁はこのような調査において、観光施策の検討に際しての参考となるよう、地方公共団体等に提供し、必要に応じ調査方法などに関する助言等を行っていく方針だ。

【参照ページ】ICTを活用して訪日外国人の観光動態を調査しました

(Livhubニュース編集部 平井 真理)

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平井 真理

東京都出身。これまでダイエットアプリ、霊廟、ゲームなど幅広い業界での商品紹介やノウハウなどのライティング経験あり。ウェブライターの経験を活かし、主に民泊・Airbnb関連のニュース記事の執筆を担当。