観光庁は1月17日、平成28年10-12月期の訪日外国人消費動向調査結果及び平成28年年間値を公表した。
平成28年10-12月の訪日外国人旅行消費額は8,922億円であり、前年同期比1.3%増であった。10-12月期としては過去最高である。このうち、訪日外国人旅行者1人当たりの旅行支出は14万7,175円であり、前年同期比12.2%減となった。
国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額は、中国が2,926億円ともっとも多く、次いで、台湾1,186億円、韓国984億円、香港832億円、米国546億円の順に続いた。訪日外国人1人当たりの旅行支出を国・地域別で見てみると、スペインが最も高く26万6千円であり、前年首位の中国を上回った。次いでオーストラリア25万円、中国21万4千円の順で高い。
訪日外国人1人当たり旅行支出を費目別でいると買物代が5万7千円と最も高く、次いで宿泊料金3万9千円、飲食費3万円の順で高い。宿泊料金は、スペイン、オーストラリア、フランス、イタリア、英国等の欧米豪の国々が上位を占めた一方、買物代は中国で12万1千円と最も高かった。前年と比較すると買物代が減少し、宿泊料金、飲食費、交通費が増加している。
旅行消費額が高い上位5市場(中国、台湾、韓国、香港、米国)について、現地通貨ベースで訪日外国人1人当たり旅行支出をみると、中国を除き前年同期比で増加している。一方、USドルベースで全国籍・地域の訪日外国人1人当たり旅行支出を試算すると、日本円ベースでは前年同期比12.2%減少しているのに対し、USドルベースでは0.6%の増加となる。
中国においては、1人当たり旅行支出が前年比18.4%減少し、全国籍・地域の中で最大の減少幅となった。関税の引き上げと越境EC利用により「電気製品」、「カメラ・ビデオカメラ・時計」といった高額商品の購入額の減少が影響したとみられる。関税引き上げが行われた平成28年4月以降の9ヶ月間において、訪日中国人の日本滞在中の買物支出額へ与えた影響額は、総額約2,000億円と試算されている。
観光庁はアジアを中心としたプロモーションを欧米豪に移していく意向を示しており、訪日客の裾野を広げると同時に、中国のいわゆる「爆買い」のような為替動向に影響を受けやすい消費形態に頼ることのない、宿泊や食事、観光などの体験における消費を目指していく見通しだ。
【参照ページ】訪日外国人消費動向調査平成28年10-12月期結果(速報)及び平成28年年間値(速報)~平成28年は、前年比7.8%増で過去最高となる3兆7,476億円~
【参照ページ】訪日客、米欧豪からも増加 16年18%増
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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