最近は投資目的で民泊物件の運用を検討している方や実際に運用を開始している方が増えていますが、リスク管理も民泊物件の運用には欠かせません。
突然、順調に運用している民泊物件が火災や地震などの災害で壊れてしまうことも考えられます。これらの被害にあう前に保険に加入することで、災害による被害を受けた場合の損失を補填できる可能性があります。ここでは、民泊物件が対象となる保険の種類や保険の適用対象となる物件について知り、適切な対策をとりましょう。
民泊物件対応の補償サービスを利用する
民泊物件に関係する保険は、建物自体や建物内部の物品が火災や風水害にあった場合に損失を補償する火災保険です。民泊物件に適用される火災保険は、火災や落雷・爆発や風ひょう雪災害による損害に限定した「普通火災保険」となっていますが、火災保険では地震や津波、噴火などの大規模災害に基づく被害に対する補償を受けることができません。
また、民泊物件は宿泊費の徴収の有無に関わらず反復継続して不特定多数の人を宿泊させる物件となるため、住宅としては扱われず、事業用途としての「一般物件」や住宅用途と事業用途を併せ持つ「併用住宅物件」という扱いとなり、一般住宅用の火災保険は適用されません。すなわち、一般住宅用の火災保険に加入していても住宅を民泊物件として運用している場合には、契約内容と異なるとして保険金がおりない可能性が非常に高くなっているのが現状です。
そこで、一般社団法人民泊民宿協会は民泊物件に火災や事故が起きた場合の補償サービスを開始しました。同協会の会員になると、一般住宅用の火災保険では適用されない契約者以外の事故が起きた場合にも損害を補償してもらえます。詳しくは一般社団法人民泊民宿協会のサイトをご覧ください。
地震保険は民泊物件の適用対象外
地震・噴火・津波による災害で発生した損失を補償する保険である地震保険は適用されないのかと考えた方もおられるかと思いますが、地震保険の適用対象は住宅と生活用の動産に限られるため、民泊物件は地震保険の適用対象となりません。
他に、火災保険との同時加入により「地震特約」という形態で補償を受けることができるサービスが民間の損害保険会社各社で提供されています。地震特約は地震保険に加入できない事業用物件に対して、火災保険を拡張するという位置づけで、地震や津波などの火災以外の災害にも保険を適用するという目的で設定されており、この特約は損害保険会社に申請することで審査を受け、審査に通った場合にのみ契約することができるものとなっています。そのため、地震特約を利用したいと考えても、一般住宅ではその審査に通らず契約を締結できないため、注意が必要です。
まとめ
運用する民泊物件において火災保険を利用する場合には建物の用途をしっかり把握し、民泊物件の適用対象となる火災保険に加入する必要があります。すでに火災保険に加入している場合には適切な保険に加入できているか、あらためて保険会社に確認することをおすすめいたします。対象物件について保険会社に確認した上で火災保険の適用対象外であることが確認できた場合には、万が一の火災や事故による損害を軽減することができる可能性が高まるため、民泊物件に対応した補償サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
最新記事 by Livhub 編集部 (全て見る)
- 旅する意味の再発見。地域や人と繋がれる宿泊先が見つかる世界の検索サイトまとめ - 2024年11月18日
- 「日本の冬を終わらせない」アウトドア業界110社が挑む、気候変動対策 - 2024年11月15日
- きっと感動する、神秘的な夜の植物たち。京都府立植物園で没入型アートイベント開催 - 2024年11月11日
- 【11/19開催】成長至上“じゃない”社会と経済システムとは?ゼブラ企業と欧州動向をもとに考えるイベント - 2024年11月6日
- 「よっしゃ頑張ろう」空の旅で、夢への一歩を。JAL、大谷翔平の移動距離を若者へ贈る”ドリームマイルパス” - 2024年10月29日