政府は22日、2018年度予算案を閣議決定し、観光庁予算を過去最大の294億円とした。2017年度の256億円からは38億円増、2015年度には100億円規模だった予算の約3倍となった。
予算の内訳は、訪日プロモーションの抜本改革と観光産業の基幹産業化に108億円、「楽しい国 日本」の実現に向けた観光資源の開拓・魅力向上に27億円、世界最高水準の快適な旅行環境の実現に97億円、観光統計の整備に6億円、その他(経常事務費等)に9億円と、観光促進に計248億円を充て、東北復興財源に計46億円を充てる。
このうち民泊に関しては、2017年度より訪日プロモーションの抜本改革の一部として「健全な民泊サービスの普及」の項目を設けており、2018年度予算を1億900万円とした。新たに住宅宿泊事業法が施行されることに伴い、同制度運営に係る管理システムとコールセンターの運用に財源を充てる。
2018年度観光予算では新たに「国際観光旅客税(仮称)」を創設する。この税は2019年1月7日以降の出国旅客に定額・一律1,000円の負担を求めるもので、徴収額は60億円を見込む。具体的な使途は、ICT等を活用した多言語対応や日本政府観光局(JNTO)のサイト等を活用したデジタルマーケティング、VR等の最新技術を駆使した最先端観光の育成など、特に新規性・緊急性が高い施策や、顔認証ゲートや税関検査場電子化ゲートの整備といったCIQ体制の整備、文化財や国立公園等における多言語解説の整備などとしている。
政府は2016年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」の中で、2020年の訪日外国人旅行者数を4,000万人、2030年には6,000万人にする目標を掲げ、観光を基幹産業へと成長させる方針を示しており、2020年東京オリンピック・パラリンピックの前に財源を確保し観光施策を推進する目的で同税を創設した。
訪日外国人旅行者数の増加には、訪日旅行者の84%をアジアからの旅行者が占めていることから欧米豪ほかからの誘客促進が課題だ。そこで国、年齢、関心に合わせてウェブその他の媒体でプロモーションする「訪日グローバルキャンペーン」を積極的に進めるほか、20の市場を重点に据えた国別の戦略に基づく市場別のプロモーション、デジタルマーケティング、自治体との連携による地方への誘客、日本政府観光局(JNTO)の体制強化などを進めていく構えだ。
【参照ページ】平成30年度観光庁関係予算決定概要
(Livhubニュース編集部)
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