日本旅館協会は、現在開会中の2017年通常国会で法案が提出される「民泊新法」への対応として、不正民泊防止の観点から客室提供日の事前登録へ要望を絞ったと、トラベルニュースが2月14日付けで報じた。
日本旅館協会は、昨年11月に提出した要望書において、不正のできない仕組みづくりを求めていた。その中では、年間営業日数について、宿泊の有無に限らず、当初の届け出・登録による予約可能日を営業日とすることを求めた。実際に宿泊した日の把握が当事者以外には不可能なことに加え、実際には宿泊したにも関わらずキャンセル扱いにすることで営業日を増やす不正につながることを理由とした。
年間営業日数においては、これまでも旅館業界と不動産業界の意見の相違があり、営業日数の定義において旅館業界は「営業期間の上限」としているのに対し、不動産業界は「客を受け入れた日数」としている。これに対し、政府は「客を受け入れた日数」とし、日数や時期は条例で制限できるようにする方針だ。
そのような状況の中、日本旅館協会関西支部連合会は今年1月、大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で行われた役員会・新年互例会において、「365日のうちの180日ではなく、事前に登録した180日に関してのみ民泊の営業を認めるように強く訴えていく」方針を固めた。このほか、条例によって原則的に民泊を禁止できるようにする自治体の裁量権も要望に盛り込む見通しだ。
政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年に訪日外国人旅行者4,000万人を目標としており、達成するには宿泊施設の拡充が不可欠だとしている。その受け皿として期待のかかる民泊であるが、これに対し日本旅館協会は、「前提となる安全安心が揺らぐ新法になりかねない」と警鐘を鳴らしている。
【参照ページ】客室提供日を事前登録 日本旅館協会、民泊新法へ要望絞る
【参照ページ】不法民泊の防止 日本旅館協会、公平な競争環境求め自民党に要望書
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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