PwCコンサルティング合同会社が実施した調査によると、日本におけるシェアリングエコノミーサービスの認知度は3割程度にとどまることが分かった。また、今後の利用意向としては若年層ほど関心が高く、10代、20代は「利用したいと思う」「利用を検討してもいいと思う」の合計が半数を超え、シェアリングエコノミーに対して積極的な姿勢を持っていることが分かった。
この調査「国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2017」はPwCが今年の5月に全国の消費者約9,700名を対象に実施したものだ。シェアリングエコノミー関連サービスにおいて認知されているサービスカテゴリーとしては「モノ」が75.3%で最も多く、次いで「場所」(51.5%)、「移動手段」(41.9%)という結果となった。
シェアリングエコノミーサービス自体の認知度が3割、そしてさらにその中でも「場所」関連サービスの認知度が5割ということを考えると、Airbnbをはじめとするホームシェアリングプラットフォームの日本における認知度はまだまだ大きく向上の余地があることがよく分かる。
また、利用する際の懸念事項としては「事故やトラブル時の対応」が各カテゴリーを通じて最も多く挙げられており、今後、日本でシェアリングエコノミーサービスが普及するためには、品質担保の仕組みや安全性の確保が課題であることもはっきりしている。
今回の調査結果を受けてPwCコンサルティングの野口功一氏は「若年層はITリテラシーが高いことに加え、進学や結婚、子育てなどのライフステージの変化に伴って必要なものがどんどん変わるため、シェアリングエコノミーになじみやすい。欧米と比較すると、日本でのシェアリングエコノミーの認知はまだ低いが、利用意向や期待が高まっている。働き方改革に伴う副業の奨励、環境保護、人口減少や地方創生などの社会課題の解決につなげていくことで、さらに成長することが考えられる」と語る。
来年は民泊新法も施行され、全国的にホームシェアリングの文化が広まっていくことが期待されるが、新しい取り組みに対しては抵抗や懸念もつきものだ。民泊に関わる事業者はサービスの安全性や信頼性をしっかり担保しながら、シェアリングエコノミーが生み出す外部不経済をいかに克服し、地域社会に利益を還元していけるかが問われそうだ。
【参照記事】国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2017
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