業界トップシェアを誇るサイトコントローラー「ねっぱん!サイトコントローラー」(以下、ねっぱん!)を提供する株式会社クリップスは、同システムの無料サービスを2019年6月末日で終了し、後継サービスとして「ねっぱん!サイトコントローラー++(プラスプラス)」(以下、ねっぱん!++)を同年7月1日より有料で提供することを発表した。
同社は、宿泊施設向けのクラウドサービスの企画・開発をする企業。2012年より楽天グループの一員となったことで、国内最大級のOTAサイト「楽天トラベル」に参画の施設には「ねっぱん!」の基本機能を無料で提供していた。
このたびの有料化には、インバウンド需要が高まる中、海外OTAの急速な拡大と技術進展に対応するため、開発スピードのアップやサポート体制の充実に伴う新たな投資が必要という背景がある。7月から有料提供される「ねっぱん!++」は、既存の「ねっぱん!」をベースとし、近年問題化している“ノーショー対策”をはじめとする8つの新機能およびサービスを2019年内に順次提供する予定だ。
新たに搭載される機能およびサービスは、以下の8つ。
- ノーショー対策:現地決済しか対応していない予約サイトに対し、事前決済が可能に。※同社指定OTAのみ対応
- プラン一括登録:複数の予約サイトに対し、一括でプラン登録が可能。※主要OTAのみ対応
- プラン自動延長:複数サイトに対しプランの販売期間を一括で延長が可能。※主要OTAのみ対応
- サンクスメール:予約成立後や宿泊日前後に、ねっぱん!からユーザー宛にメールを自動配信
- 本部機能の強化:複数の施設を運営する法人(または個人)はログイン後の施設切替が可能。また、分析レポートを法人全体として一括集計。
- サポート時間の延長:サポートセンターの受付時間が「9時~21時」へ拡大。
- 月イチ勉強会の開催:「ねっぱん!++」の機能を学べる毎月1回の無料勉強会「++勉強会」を開催。
- ねっぱん!操作代行サービス:「ねっぱん!++」の一部操作を無料で代行。※申込順
価格に関しては、基本機能として初期設定料50,000円、月額利用料は5室以下の施設で5,000円、6室以上の施設で8,000円。また別途、PMS(ホテル会計システム)やレベニューマネージメントシステム、セルフチェックインシステムとの連携オプションが発生する。
近年のインバウンド需要の増加や昨年の住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行、旅館業法の規制緩和に加え、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、宿泊業界のさらなる激化が見込まれる。
同社は、サイトコントローラー事業を取り巻く環境変化に迅速に対応し、販売機会拡大と業務効率アップにつながる提案をすることで、宿泊施設の競争力強化に貢献していく考えだ。なお、「ねっぱん!++」の契約関係については、5月頃に改めて案内があるとのこと。
国内外問わず様々なサイトコントローラーが提供されている中、“無料で利用できる”ことは、「ねっぱん!」の業界シェア率を底上げしてきた大きな要素だ。このたびの有料化に伴い、サイトコントローラーを再検討する宿泊施設も増えるだろう。しかし既に複数の宿泊施設を運営し、PMSをはじめとする様々なシステムを連携している企業にとって、移行作業は大きな負担となる。
同サービス有料化後の新機能やサービスには、業務効率化や人件費削減に繋がる要素が多数揃っている。各宿泊施設は今後の運営方法等を深く検討し、最適なサイトコントローラーを見極めてほしい。
■「ねっぱん!サイトコントローラー++(プラスプラス)」の公式サイトはこちら
【参照記事】
【重要】 ねっぱん!サイトコントローラーに関するお知らせ
【参照サイト】
ねっぱん!サイトコントローラーに関するお知らせ
【転載元】
クリップス、サイトコントローラー「ねっぱん!」を7月より有料化。8つの新機能・サービスを追加 | HOTELIER(ホテリエ)|ホテル・旅館・インバウンド不動産投資メディア
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