みずほ総合研究所は1月20日、国内の宿泊施設不足をテーマとする調査報告書「インバウンドの展望と中期的なホテル不足の試算」を公表した。
調査によると、みずほ総合研究所は2017年も訪日外国人客数は増加し、2,800万人程度になり、インバウンド消費額は4.4兆円程度に増加、さらに2020年までに東京でのホテル不足は緩和されるが大阪では大幅に不足すると予測した。
また、訪日外国人客数の堅調な推移が見込まれる中、ホテル不足に関する試算結果は東京と大阪で二分した。同試算は、最新の新規オープン計画に基づいて行われた。その中では、日本人と外国人の受給バランスについて9種類のシナリオを用意することで地域別に実際の不足数が試算された。
その結果、東京では標準パターンの「シナリオ1(日本人「標準」、外国人「標準」)」で900室分の余裕がある状態でホテル不足が解消し、その他も9つのシナリオのうち4つのシナリオで解消する結果となったが、大阪ではいずれのシナリオでも施設不足が生じる結果となった。このほか、東海や九州、沖縄ではホテル不足が解消される結果となった。
この要因は、東京におけるホテルの新規オープン計画が急増しており十分な供給が見込まれること、一方、大阪については新規オープンが増えると見込まれるものの需要バランスと嚙み合わないことにあるとみている。
みずほ総合研究所は、2017年の通常国会で提出される予定の民泊新法案への注目が集まっていることに触れ、「特に大阪におけるホテルへの超過需要を緩和する一助として、民泊の潜在力は大きく、こうした地区での積極的な導入が期待される」としている。
大阪は東京ディズニーランドと比肩する入場者数を誇るユニバーサルスタジオジャパン(USJ)の他にも数多くの観光地を有する世界有数の観光都市として根強い人気を誇り、訪日外国人だけでなく国内の観光客も数多く訪れる。観光産業の成長促進のためにも、民泊の普及促進やその他の手段での宿泊施設の確保については引き続き対策が求められるだろう。
【参照資料】インバウンドの展望と中期的なホテル不足の試算
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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