政府は12月21日、2019年度予算案を閣議決定し、観光庁予算を前年比2倍以上で過去最大となる711億円とした。そのうち485億円を、2019年1月7日より出国旅客に対して課される国際観光旅客税が占める。
国際観光旅客税は、船舶・航空機での出国旅客に定額・一律1,000円の負担を求めるもの。訪日外国人旅行者を2020年までに4,000万人とする等の政府目標の実現に向け、出入国手続きの高度化や世界水準の受入環境整備、地域資源を活用した新たな観光コンテンツの拡充など、特に新規性・緊急性の高い施策・事業に財源を充当する。予算は中心となる3つの分野である「ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備」に279億円(うち旅客税224億円)、「我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化と観光産業の基幹産業化」に149億円(うち旅客税51億円)、「地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上」に224億円(うち旅客税210億円)を充てる。そのほか観光統計の整備に6.5億円、その他経常事務費等に7.6億円、東北復興財源に45億円を充てる。
具体的な使途は、顔認証ゲートやバイオカートの整備、ディープラーニング技術を活用した個人識別情報システムの導入等による円滑な出入国、通関等の環境整備のほか、搭乗手続きの自動化や顔認証化等によるFAST TRAVELの推進、多言語対応や無料Wi-Fi、トイレの洋式化、キャッシュレス決済対応等の公共交通利用環境の革新、ICT等を活用した多言語対応や日本政府観光局(JNTO)のサイトやSNS等を活用したデジタルマーケティングなどとなっている。
民泊に関しては、2017年度より項目が設けられている「健全な民泊サービスの普及」のため、2019年度予算では前年比8,400万円増となる1憶9,300万円を充てる。住宅宿泊事業法等に基づく民泊事業に関わる制度運営に係る管理システムとコールセンターの運用や、利便性向上のための管理システムの改修に加え、違法民泊の排除等を促進するため、違法性が疑われる物件の確認に係るシステムの構築を行う方針だ。
【参照ページ】平成31年度観光庁関係予算決定概要
【参照ページ】国際観光旅客税の使途に関する基本方針等について
(Livhubニュース編集部)


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