訪日インバウンド事業を展開する株式会社フルスピード(以下:フルスピード)は8月2日、訪日中国人観光客に向けて街頭アンケートを実施した調査結果「ココが困るよニッポンで!」を公表した。
フルスピードは、訪日中国人観光客向けスマートフォンアプリ「GoJapan」を運営している。「GoJapan」は旅行前の情報収集・旅の計画から旅行中の周辺検索・情報共有ができるという日本の旅行プラットフォームだ。中国App Storeの日本関連アプリランキング1位であり、同調査で銀座にいる訪日中国人旅行者の7人に1人が使用していた。
訪日中国人が日本に旅行する前の「旅マエ」に困ったことに関しては、23%が「交通情報」、17%が「Wi-Fi環境がある場所」、16%が「飲食店情報(予約)」と回答した。その土地でしか知り得ない情報を中国で得ることは難しいと推測される。また、海外と比べると日本はWi-Fi環境が整っていないことを表す結果となった。
日本で旅行中の「旅ナカ」で困ったことについては、「飲食店への道順」が18%と最も回答が多く、次いで「交通情報」が14%、「言語対応の可否」が12%、「観光地の見どころ」が9%、「観光地への道順」が8%、「充電スポット」が7%と、回答が多岐に渡った。情報提供が幅広く不足していることが読みとれる。
全体的に交通情報や、店舗までの道のりで迷っているという回答者は多かったが、Googleマップの経路案内や百度地図を利用するという発想を持ち合わせている人は少ないことも明らかとなった。また「日本語で入力することが出来ないので利用できない」などといった意見もあったという。
中国政府が2016年4月8日、輸入品に課す関税率を引き上げたが、日本で買い物をする際にそれを意識するかどうかに関しては、78%が「意識していない」と回答した。関税率の引き上げよりも為替レートのほうが気になるという人も少なくなく、約10人に1人は為替レートを気にしているという結果となった。また、買い物よりも旅行自体を楽しみたいという声もあり、買い物を目的とした訪日中国人観光客は以前の「爆買いブーム」のときと比較すると縮小傾向にあることがわかった。
訪日中国人観光客が次に日本に訪れた時に行きたい場所として「北海道」が31%、「沖縄」が29%といずれも回答者の3割前後となった。全体的に都心よりも自然のある場所を次の目的地として考えていることが窺い知れる。「中国は建物が多いので自然を感じたい」という回答もあったという。
次に日本へ来た際に体験してみたいことについては、「温泉」を体験してみたいと回答したのは42%と一番多く、次に「富士登山」が17%、「エステ・美容体験」が8%、「和装体験」が8%という結果となった。「爆買いブーム」の時にドラッグストアに中国人が殺到していたが、引き続きヘルスケア関連には高い関心があるようだ。また、日本の文化や伝統に触れる体験が列挙されていることから、今後、訪日中国人観光客に日本の魅力を伝えていくことでさらに多くの旅行者を誘致できるかもしれない。
【参照リリース】「ココが困るよニッポンで!」
(Livhubニュース編集部 平井 真理)
平井 真理
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