2020年5月現在、新型コロナウイルスは日本国内の各分野の産業に多大な影響を及ぼしています。不動産業界もまた、その影響を受けている業界の一つです。
そこで、不動産関係の投資手法の一つである不動産投資型クラウドファンディングにおいて、これから先はどのように変化していくのか、実際のデータや傾向を参考にお伝えしていきます。
1.2020年の不動産投資型クラウドファンディングはどうなる
2020年の後半における不動産投資型クラウドファンディングの市況はどのように変化していくのか、過去のデータから見て行きましょう。
1-1.宿泊施設運用案件は収益低下の可能性がある
ホテルや民泊施設を運営するタイプの不動産投資型クラウドファンディングの先行きは、しばらくは収益が上がりにくいものと見られます。
日本政府観光局の「訪日外客数(2020年3月推計値)」によると、2020年3月時点での海外からの観光客数は、2019年比で93%減の19万4千人でした。観光客数の減少により、これまでインバウンド需要に頼っていた国内のホテルや民泊などの宿泊施設はかなりの痛手を負っています。
また2020年5月現在、海外の国ごとに様々な形で渡航者が制限されているだけに、観光客をターゲットにした宿泊施設に関しては、しばらくは満足な集客が望めない状況だと思われます。
2019年に比べて国内の観光客数も大きく落ち込み、宿泊を伴うようなレジャーでは収益の回復までに時間がかかる見通しで、短期的な運用案件で利益を出すことは難しいでしょう。
1-2.その他のタイプの不動産の状況は?
次に、その他のタイプの不動産物件の運営状況について見て行きましょう。
不動産投資型クラウドファンディングサービスの一つである「CREAL」では、数は比較的少ないものの、「保育園の開設資金」を解決するための案件を組成し、募集をかけています。
待機児童が多いエリアであれば、施設の供給が足りていないため、保育園の需要が急激に落ち込むことは考えにくいと言えます。
また、保育園の運営資金は、東京都などの保育園のある自治体から補助金が支給されます。補助金は通っている子供の人数によって変化しますが、待機児童が多い世田谷区などのエリアであれば、収容可能の子供の数に応じた満員の経営も見込めます。
一方で、テナントビルやオフィスビル案件に関しては、やや需要の落ち込みが推測されます。日本各地では大型商業施設が新型コロナウイルスの影響により休業要請を受け、テナントの売り上げが低下しています。
また、倒産する会社が増えればオフィス物件の需要は低下します。もし、緊急事態宣言下で行われたリモートワークが今後も日本の会社に定着していくようであれば、都心に広いオフィスを構える必要の是非も問われてくるでしょう。
コロナショックの影響は日本人の働き方に大きな影響を与えています。今後のオフィスビルの需要に対し、少なからず影響が出る可能性があります。
2.今後注目の不動産投資型クラウドファンディングサービスは?
2020年後半に不動産投資型クラウドファンディングを始めたい方に向けて、以下では検討したいサービスを2つピックアップしてみました。
2-1.リンプル(Rimple)
Rimpleは2020年から運営を開始された、東証一部上場企業の株式会社プロパティエージェントが運営する不動産投資型クラウドファンディングサービスです。
不動産投資型クラウドファンディングに投資する時は、運営元の破産や不正などの信用性に注意しておく必要があります。東証一部上場企業が運営しているサービスである点は、事業者への信頼性を測る上でプラスに評価できるポイントと言えるでしょう。
また、Rimpleはクレジットカードのポイントを利用して投資できる新機軸の取り組みを行っており、2020年5月時点で利用者数は5万人を突破しています。案件の組成数はまだ多くはないものの、今後も期待値の高い不動産投資型クラウドファンディングサービスの一つだと言えます。
2-2.クリアル(CREAL)
CREALは2018年から運営を行っている不動産投資型クラウドファンディングサービスです。累計の募集実績額は45億円を突破しており、数々の不動産投資型クラウドファンディングサイトの中でも特に豊富な実績があるサイトの一つだと言えます。
CREALの大きな特徴として「多種多様な案件を取り扱っている」ことが挙げられます。ワンルームマンション案件やリゾート地案件、保育園案件、学校案件など、様々な不動産投資型クラウドファンディング案件があります。
ESG不動産投資に興味がある方や投資先不動産の事業を分散したい時は、CREALの利用を検討してみると良いでしょう。
まとめ
株式市場と比べて不動産市場は価格の変動幅が小さく、遅れて景気の影響を受ける傾向があります。また、新型コロナウイルスによる影響が今後どこまで拡大していくのか未知数であると言えます。
このような状況下では投資資金を一つにまとめるのではなく、できるだけリスクの分散を行いながら投資することを意識していきましょう。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※この記事は金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」より転載された記事です。
【元記事】https://hedge.guide/feature/real-estate-investment-type-crowdfunding-recommended-2020.html
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