旗竿地の売却を検討している方の中には、希望価格での買い手がなかなか見つからず、売却が長期化して困っているという人も多いのではないでしょうか?
旗竿地は整形地よりも利便性が低く、売却をスムーズに進めることが困難であるため、対策を練りながら売却を進めることが重要です。
この記事では、旗竿地を少しでも高く売る方法と手順、注意点や不動産会社の選び方などを分かりやすく解説します。
1.旗竿地とは
旗竿地とは、道路に面している部分が狭く、狭い通路の奥に敷地が広がっている土地です。
道路から一歩奥なので、人や車の通りが多い道路でも騒音が気になりにくいのが特徴です。また、整形地と比較すると、不整形地である旗竿地は固定資産税が安く、狭い通路部分も駐車場として利用すればデッドスペースを有効活用できる可能性があります。
しかし、周囲を家に囲まれているケースが多く、日当たりや風通しが悪い、プライバシーの確保が困難、通路部分が狭ければ駐車場スペースを別に確保しなければならないといったデメリットが挙げられます。
その他、旗竿地は道路との接道部分が狭く、現在の建築基準法で定められている接道面積の基準を満たしていない可能性があります。
接道面積を満たしていない物件は再建築不可物件として扱われるため、建物を解体すると接道面積の基準を満たすまで建物を再建築できません。解体費用の分だけ高く売却できる見込みがある場合を除き、安易に解体してしまわないよう注意が必要です。
これらの要因によって、旗竿地は低く評価されるケースがあります。売却時には買い手がなかなか見つかりにくく、希望価格での売却が難しいケースも少なくありません。
2.旗竿地の売却手順
旗竿地を少しでも高く、速やかに売却するためには、売却手順と高く売却するポイントを押さえながら旗竿地の売却に臨むことが重要です。旗竿地の売却手順とポイントを詳しく見ていきましょう。
2-1.複数の不動産会社に査定を依頼する
各不動産会社によって査定で重視するポイント、営業力が異なるため、査定結果も大きく異なります。1社だけに査定を依頼しても査定結果の比較ができないため、複数の不動産会社に査定を依頼することを検討してみましょう。
査定価格を比較する際は、仲介手数料を得るために根拠のない高い査定結果を提示する不動産会社もあるので注意が必要です。査定結果だけでなく、査定の根拠をしっかり説明できる不動産会社を選ぶことが大切です。
下記の表は、不動産査定をネット上から依頼できる「不動産一括査定サイト」の一覧です。これらの不動産一括査定サイトは全国エリアに対応し、積極的に悪徳業者の排除を行っている特徴があります。
主な不動産一括査定サイト
サイト名 | 運営会社 | 特徴 |
---|---|---|
リガイド(RE-Guide) | 株式会社ウェイブダッシュ | 2006年にサービスを開始。2020年で15年目を迎える。独自の審査で厳選した700社の優良不動産会社が掲載。収益物件情報を掲載する姉妹サイトを持ち、他サイトと比較して投資用不動産の売却に強みを持つ。 |
HOME4U | 株式会社NTTデータ スマートソーシング | 全国1300社の不動産会社を厳選。HOME4Uでは査定依頼をする際に、大手企業と地域密着型企業の両方への依頼を推進。 |
イエウール | 株式会社Speee | 全国1,600社が参加。「地方・地域密着」企業を多数掲載し、地域情報を交えたより詳細な情報から査定を追求。 |
【関連記事】民泊物件の売却、おすすめの不動産一括査定サイトは?厳選3社を比較
2-2.不動産会社に仲介を依頼する
複数の不動産会社に査定を依頼してからは、査定結果を踏まえながら不動産会社に売却を依頼します。
根拠に基づいて高い査定価格を提示しているかどうかを確認しましょう。例えば、既に顧客を抱えていてすぐに売買契約を成立させることができそうな不動産会社は、過去の融資実績や買主の情報など、詳しく教えてくれることがあります。
その他、地域に根差した中小企業の不動産会社も独自の顧客層を抱えていることがあります。不動産会社によって売却結果は大きく異なるため、どの不動産会社に仲介を依頼するのか比較検証しながら依頼しましょう。
仲介を依頼する不動産会社を決めた後は、媒介契契約を締結します。不動産売却の媒介契約には、3種類の契約方法があります。それぞれの違いを確認しておきましょう。
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
複数の不動産会社への依頼 | ○ | × | × |
自分で見つけた買主との単独契約 | ○ | ○ | × |
指定流通機構への登録義務 | 無 | 有 | 有 |
販売活動の報告義務 | 無 | 有 | 有 |
契約期間 | 規制は無し | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
専任媒介契約と専属専任媒介契約は一社だけにしか依頼を行わないため募集範囲が狭くなりますが、不動産会社としては営業活動が無駄になる可能性が少なく、販売活動を報告しなければならない縛りもあります。そのため販売活動を積極的に行ってくれる可能性があります。
どの契約方法にするかは個別の対応になってきますので、事前に各契約の特徴と良し悪しを把握しておきましょう。まずは一般媒介契約で複数の不動産会社へ売却依頼し、売却が長引いてしまったら専任媒介に切り替えるなどの工夫も有効です。
2-3.買取での売却を検討する
不動産一括査定サイトで不動産会社の選定を行えたら、売却方法についても検討しておきましょう。
旗竿地や狭小地といった訳あり不動産を専門的に扱っている買取業者に相談すれば、比較的高く買い取ってもらえる可能性もあるので買い取りも選択肢の1つと言えます。
ただし、買取はスピーディな売却が期待できる反面、仲介による売却価格より2~3割程度安くなる傾向があります。買取を検討する際は仲介と並行して行い、価格や売却時期の比較を行うなどの工夫をしてみましょう。
2-4.再建築が出来るかどうか調査する
旗竿地に築年数が経過し劣化した建物がある場合、その建物が原因でなかなか買い手が見つからない可能性があります。そのようなケースでは、あらかじめ再建築不可でないか事前に確認しておくことも検討しましょう。
再建築不可の旗竿地でも、通路部分に隣接している土地の所有者に交渉して土地の一部を売却してもらえれば、建築条件を満たせるようになります。建築条件を満たせば、資産価値が大幅に高まるため、売却価格が高まることも期待できます。
しかし、交渉に成功したとしても、新たな土地の取得は購入資金が必要となるためリスクのある手段と言えます。土地の購入にかかった費用分、高く売れる見込みがあるのかどうか、不動産会社に相談しながら慎重に検討することが重要です。
3.まとめ
旗竿地は環境や使い勝手が悪いケースが多いことから、売却したくてもなかなか買い手が見つかりにくい可能性が高いと言えます。
再建築不可の場合、建物を解体したことによって建築条件を満たすまで再建築できなくなります。資産価値が大幅に下がって売却に不利になることから、不動産会社に相談しながら売却を進めましょう。
※この記事は金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」より転載された記事です。
【元記事】https://hedge.guide/feature/real-estate-company-sells-flagpoles.html
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