米国ポートランドに拠点を置くバケーションレンタルサイトのVacasaは4月12日、新たに3500万米ドル(約38億円)の資金調達を実施したと公表した。GeekWireが報じている。ポートランド発のスタートアップ企業として過去2年間の中でも最大規模の調達となる。
Vacasaは自身を「米国最大の献身的なバケーションレンタルマネジメント企業」と称しており、Airbnbなど他のバケーションレンタルサイトとは異なり、ホストの収益向上支援に向けてマーケティングから価格最適化、予約、ゲスト対応、清掃・メンテナンスまで幅広いサービスを提供しているのが特徴だ。
同社の強みは主に2つある。一つは独自に開発したイールドマネジメントテクノロジーで、天候やイベント、競合の価格や稼働率、地域の需要トレンド、季節性など様々な要素を考慮して価格を毎日自動的に調整することで、ホストの収益最大化を支援している。
また、二つ目の強みとして挙げられるのが、物件の清掃からメンテナンスまでを支援するために同社が世界中に抱えている地元のスタッフだ。現在、Vacasaは米国、欧州、中南米の135都市に1,000名以上のローカルスタッフを配置し、3,500以上の物件を管理している。Vacasaはこれらの支援を行う見返りとしてホストから手数料をもらっているが、こうしたホストの立場に立ったワンストップのサービスが、Airbnbなど他のバケーションレンタルサイトとの大きな差別化要因となっている。
Vacasaの共同創業者兼CEOのEric Breon氏は、GeekWireに対してAirbnbは同社の直接的な競合だと考えていないと語っている。同氏は、「Airbnbは個人間(P2P)のスペースレンタルで、非常に早く成長している。我々はAirbnbをバケーションレンタル業界のeBayとみなしているが、我々は自身を業界のAmazonだと考えている」として、両社のポジショニングの違いを強調する。
Vicasaは、今回調達した資金により2016年には従業員規模を2倍まで拡大し、オフィスも移転してさらなるスケールを目指す予定だ。
【参照リリース】Vacasa raises $35M, aims to be Amazon of vacation rental industry
【企業サイト】Vacasa
(Livhub ニュース編集部)
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