日本のどこがいいの!? 中国人観光客が訪日する目的ランキング、トップ20

銀座を1日でも歩いてみれば肌で感じることができるが、いまや日本は中国人観光客の人々にとって一番人気の海外旅行先となっている。2015年1月~10月までの訪日中国人観光客は428万人を超えており、台湾や韓国からの観光客を抑え、中国人は訪日外国人観光客の中で最大の割合を占めるまでになっている。

これだけ中国からの観光客が増えている理由には、ビザの発給要件の緩和や円安の影響、隣国ならではの旅行のしやすさなど様々な要因があるが、一体日本の何が彼らをそこまで惹きつけているのだろうか?中国ネットサービス大手の网易(NETEASE)が運営するwww.163.comが、「中国游客大量涌入日本的20大主要目的」と題して、中国人観光客が日本を訪れる目的トップ20を紹介している。そこでは簡単にその内容をご紹介したい。

1位:買い物

「爆買い」という新たな日本語の登場に代表されるように、中国人が訪日する何よりの目当ては何といっても買い物だ。円安が進行する中、パリやロンドン、ニューヨークなど欧米で人気の最先端ファッションブランドを安く買える日本はブランド好きな消費者にとって天国のような場所となっている。また、女性の中国人観光客からは日本のドラッグストアも大人気で、品質の良さ、品揃えの良さ、そして何より価格の安さが彼らを惹きつけているようだ。さらに、最近ではファッションブランドやデパートが軒を連ねる銀座や新宿だけではなく、古書の溢れる神保町や、都心のいたるところにあるコストパフォーマンス重視の100円ショップにまで中国人観光客が大量に押し寄せているという。

2位:観光

豊かな自然環境に加えて、歴史的な建造物と近代的な文化が溶け合っている日本は、観光目当ての旅行客にも人気があるようだ。海の綺麗な沖縄をはじめ、古くから中国と貿易関係を持つ長崎や福岡、日本を代表する古都の京都や奈良、そして現代の日本の中心地である東京や大阪、豊かな大自然を満喫できる北海道まで、日本全国の様々な魅力が彼らを惹きつけている。

3位:展覧会

意外にも3位に上がってきたのが展覧会目的の訪日だ。日本では車、ロボット、建築、アニメ、ゲームにいたるまで毎年数多くのジャンルの大規模な展覧会が頻繁に開催されており、展覧会への参加を目的に日本にやってくる中国人も多いようだ。毎年世界からたくさんの車愛好者を呼び寄せる東京モーターショーなどもその代表例だと言えるだろう。

4位:グルメ

世界的にも評価の高い日本の食文化も魅力の一つだ。美味しさだけではなく美しさも極めた日本料理、こだわりを極めた懐石料理、鮮度が高い刺身やお寿司、ラーメンからタコ焼きなどのB級グルメにいたるまで、日本のグルメは世界の中でも特に食に対するこだわりが強いと言われる中国人にとっても満足できるレベルにあるようだ。

5位:温泉

日本人にとってはもはや大事な生活文化の一つとなっている「温泉」。この全国各地に数え切れないほどある温泉が、5位にランクインしている。最近は外国人向けに入浴マナーの説明や英語での接客などに力を入れている温泉旅館なども多く、古くからの日本の生活文化を味わいたい観光客にとっても魅力的な観光スポットとなっている。

6位:健康診断、整形手術

最近では「メディカル・ツーリズム」と呼ばれる、主に富裕層による医療行為を目的とした訪日旅行も増えている。日本の医療技術は世界でもトップクラスであり、がんの予防診断のために日本まで足を運ぶ中国人富裕層も増えているという。また、整形を目的に韓国ではなく日本を訪れる観光客もいるようだ。

7位:伝統のお祭り

日本の伝統を最も肌で感じることができるのが、全国各地で毎年10万回以上開催されているといわれる日本の伝統文化、「お祭り」だ。神輿や縁日、踊りなど、日本ならではのカルチャーを満喫できるお祭りを目当てに訪日する中国人観光客も多いようだ。

8位:サブカルチャー

「クールジャパン」という言葉も生まれるほど、日本が世界に誇るジャンルの一つが、日本のサブカルチャーだ。日本のサブカルチャーの中心地でもある原宿、奇抜なファッションの若者が代名詞の竹下通りも人気があるようだ。

9位:伝統文化

歌舞伎や能といった日本の伝統芸能、相撲などの国技も「日本らしさ」を強く感じられるエンターテイメントとして人気が高い。中にはその良さや意味をあまり理解しないまま楽しんでいる外国人も多いが、日本でしか味わえない体験は、観光客を強く惹きつけている。

10位:寺院・神社

日本には全国で約85,000のお寺と95,000の神社があると言われており、これらの寺院や神社への参拝を目的にやってくる観光客も多い。特に盛唐時代の名残が残る京都は、数千のお寺があり、「第2の長安」と呼ばれ人気の観光地となっている。

11位:お花見

毎年3月から4月は桜の花見が楽しめる日本旅行のベストシーズンとして知られている。海外企業のVIPの中にはあえて桜の時期に合わせて日本出張を入れる人も多いと言われるほど、日本の桜の美しさは観光客の心を魅了してやまないようだ。

12位:花火大会

日本の夏の風物詩でもある花火大会も、日本を訪れたくなる魅力の一つだ。日本では毎年全国各地で何千万本もの花火が打ち上げられており、浴衣を身に纏った大勢の人々が空を見上げて花火を楽しむ光景は、観光客の目にも輝いて見えるようだ。

13位:紅葉

秋の紅葉も忘れてはいけない日本が誇る財産だ。秋の紅葉といえば京都だが、日本には全国各地に紅葉スポットが数多くあり、紅葉シーズンはどこも大勢の観光客でごった返している。

14位:スキー

北海道や長野をはじめ、日本には冬にスキーを楽しめる観光地が数多くある。中国人スキー愛好者にとっても、身近な国でありながら大自然の中で存分にスキーを楽しめる日本は最高の目的地となっているようだ。

15位:漫画・アニメ

漫画・アニメも「クールジャパン」を代表する日本の魅力だ。秋葉原は今や世界中のオタクにとっての聖地と化しており、メイドカフェやコスプレショーなど世界に発信力を持つコンテンツを多く抱えており、日本を訪れる外国人が必ずと言っていいほど訪れる場所となっている。

16位:電子製品

1位に輝いた買い物の中でも、中国人から人気が高いのは日本の電化製品だ。巷は中国人観光客が炊飯器をまとめ買いするといったニュースで溢れているが、たしかに銀座の家電量販店に足を一歩踏み入れれば、もはやここは日本ではなく中国かとすら思う様相を呈している。高級カメラから小さい部品にいたるまで豊富な品揃えを持つ日本の家電量販店は大人気の観光スポットとなっている。

17位:テーマパーク

日本が誇るテーマパーク、東京ディズニーランドや富士急ハイランド、大阪ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはいずれも世界的にも有名な遊園地として知られており、日本を訪れる観光客の人気スポットとなっている。

18位:博物館、美術館

日本に住んでいるとあまり意識しないかもしれないが、日本には芸術から歴史、科学、そしてカップラーメンから漫画にいたるまで、数多くの博物館や美術館が存在しており、世界的に有名な芸術家の作品が出展されるケースも頻繁にある。日本はもちろん、世界各地の貴重な芸術品を鑑賞できる日本の博物館や美術館は、日本を訪れる観光客にとっての密かな楽しみとなっているようだ。

19位:スポーツ、コンサート

日本では毎年数多くのスポーツ大会やコンサートが開催されている。サッカーのFIFAクラブワールドチャンピオンシップはその代表例で、昨年はバルセロナ対広州恒大の試合に数多くの中国人サッカーファンが観戦に訪れた。また、世界各地から有名な歌手やバンドがライブ開催のために来日するため、そうしたコンサートへの参加も人気が高い。野外コンサートのSummer Sonicや富士ロックなどもおすすめとなっている。

20位:歌舞伎町

今では厳しい規制によりかつてほどの活気はないものの、依然として新宿、歌舞伎町はアジアを代表する歓楽街の人として観光客の目的地となっている。食事やカラオケはもちろん、夜の歌舞伎町を楽しむ人々も多い。

まとめ

いかがだろうか?このようにランキングを見てみると、1位が「買い物」というのは納得だが、日本には数多くの観光資産があることを改めて思い知らされる。春のお花見、夏の花火、秋の紅葉、冬のスキーまで日本の四季がもたらす魅力、お祭りや歌舞伎など、古くから伝わる日本の伝統文化、原宿や秋葉原といった最先端のサブカルチャー、そして日本料理だけではなく世界中の料理が楽しめるグルメなど、様々な要素が中国人観光客を惹きつけていることが良く分かる。

今回のランキングには出ていないものの、こうした日本の人気を支える要素の中には、日本にやってきた外国人の人々に、日本を好きになって帰ってもらいたいという日本人のおもてなしの心や、世界の中でもずば抜けて良いとされる治安、日本人のマナーなども含まれているはずだ。

今年の1月からは中国人観光客の訪日ビザの発給要件が緩和され、今後ますます多くの中国人が日本にやってくることが予想される。民泊はもちろん、観光業やインバウンドに関わる全ての人々にとって、いかに中国人観光客の人々を満足させられるかは重要なテーマとなるだろう。

(Livhub ニュース編集部 華原)

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Livhub 編集部

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